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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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天体宇宙物理学への扉を開く

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
多元宇宙論 その2
・物理学における多元宇宙仮説
-テグマークの分類
宇宙学者のマックス・テグマークは、よく知られた観測可能な宇宙を越えた宇宙の分類学を作った。テグマークの分類によるレベルは、上位になるほど拡張された概念となり、下位のレベルの宇宙を包含する。
レベル I: われわれの宇宙の地平面の向こう
カオス的インフレーション理論は、無限のエルゴード的な宇宙を一般的に予測する。この宇宙は、無限であり、すべての初期条件を実現するハッブル体積を含むはずである。
従って、無限の宇宙は無限の数のハッブル体積を含むことになる。これらすべては同じ物理法則および物理定数を持つが、物質の分布のような配置に関しては、ほとんどはわれわれのハッブル体積から異なることになる。しかしながら、無限に多くのハッブル体積が存在するため、宇宙の地平線を越えて、結果的に類似するかまたは同じですらある配置のハッブル体積が存在しうる。テグマークは、われわれの住むハッブル体積と同じ配置のものはおよそ1010115(グーゴルプレックスより大きい数)m離れていると算定する。この推定はハッブル体積状態の一様な分布を仮定しているように見えるが、実際はどんな分布でも可能であるだろう。これは、われわれの特定のハッブル体積は事実上、唯一のものであろうことを意味する。
レベル II: 異なる物理定数の宇宙
イメージ 1
"泡宇宙"、各円盤は泡宇宙である。宇宙1 から宇宙6 は異なる泡で、それぞれ異なる物理定数を持つ。われわれの宇宙はその泡の一つである。
宇宙のインフレーション理論の変形であるカオス的インフレーション理論では、多元宇宙は全体として拡張しており、その拡張は永遠に続くとされる。しかし、宇宙のある領域は拡張を止め、それぞれ異なる泡の形態を取る。そのような泡は未発達のレベルI 多次元宇宙である。アンドレイ・リンデおよびVitaly Vanchurinは、これらの宇宙の数が101010000000のスケールであると計算した。
異なる泡は異なる自発的対称性の破れを経験するであろう。その結果、異なる物理定数のような異なる性質を持つ。
このレベルはまた、ジョン・ホイーラーの振動宇宙論およびリー・スモーリンの多産宇宙論を含む。
レベル III: 量子力学における多世界解釈
ヒュー・エヴェレットの多世界解釈 (MWI) は、量子力学の解釈のいくつかある主流の一つである。量子力学の一つの側面として、ある観測は絶対的に予測することができないというものがある。代わりに、異なる確率を持つ起こりうる観測の幅がある。MWIによると、これらの起こりうるそれぞれの観測は異なる宇宙に対応する。6面のさいころが振られたとすると、その各結果が量子力学の可観測量に一致する。さいころは、すべての6通りの可能性に対応する6つの異なる宇宙に落ち込む。(より正確には、MWIでは単一宇宙のみが存在するが、"多世界" "分裂"してからはそれらは一般的に相互作用することができない)
テグマークは、レベルIII 多元宇宙はハッブル体積内にレベルI-II 多元宇宙よりも多くの確率を含まないと議論する。事実上、同じ物理定数を持つレベルIII 多元宇宙において"分裂"によって創られたすべての異なる"世界"は、レベルI 多元宇宙におけるいくつかのハッブル体積の中に見つけることができる。テグマークは次のように述べている。レベルI およびレベルIII の唯一の違いは、どこにあなたのドッペルゲンガーが住んでいるのかの違いである。レベルI では、それらは三次元空間内のあらゆるところに住んでいる。レベルIII では、それらは無限次元ヒルベルト空間における他の量子的に分岐した世界に住んでいる。同様に、異なる物理定数を持つすべてのレベルII 泡宇宙は、事実上、レベルIII 多元宇宙における自発的対称性の破れの瞬間に"分裂"によって創られた"世界"として見出すことができる。
多世界のアイデアに関連するものは、リチャード・ファインマンの複数の歴史解釈およびH. Dieter Zehの多精神解釈がある。
レベル IV: 究極集合
究極集合仮説はテグマーク自身により提唱された。このレベルは、異なる数学的構造によって記述可能な宇宙はすべて等しく実在すると考える。これには、我々の観測可能な宇宙のものではない異なる低エネルギー物理法則を含まない。テグマークは次のような考えを提唱する。抽象数学は非常に一般的なので、(人間の曖昧な言葉から独立した)どんな純粋な形式言語で定義可能な万物の理論 (TOE) もまた数学的構造である。例えば、異なる種類の実体(言葉で表現される)やそれらの関係(さらなる言葉で表現される)を含むTOEは数学者が集合論的モデルと呼ぶものに他ならず、一般的にその集合論的モデルを構成する形式体系を見出すことができる。これは、あらゆる想像することのできる平行宇宙理論はレベルIVの段階で記述可能であることを暗示する。レベルIV 多元宇宙は全ての他の集合 (ensembles) を包含するので、多元宇宙の階層の上限となり、レベルV 多次元宇宙を考える余地はない。
Jürgen Schmidhuberは、しかしながら、"数学的構造の集合"は明確に定義されてすらいないと反論する。彼は、構成的数学、すなわちコンピュータプログラムによって記述可能な宇宙の表現のみ認めている。これには、その出力ビットは有限時間内に収束するが収束時間自身はクルト・ゲーデルの限界のため停止するプログラムによって予測できないであろう非停止プログラムによって記述可能な宇宙の表現が明示的に含まれている。彼はまた、より制限の厳しい手早く計算可能な宇宙の集合を明確に議論している。
 

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