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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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天体宇宙物理学への扉を開く

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
宇宙の年表 その4(終わり)
‐宇宙の最終段階
 宇宙の最終段階を知るには、最初期宇宙で生じることの推察の場合と同様に基礎物理を応用することとなる。以下に可能性の数例を挙げてみる。
‐熱的死: 10^18から10^25
宇宙の膨張が続けば最も可能性の高いと考えられているのが、熱的死と呼ばれる状態である。 10^12年という時間尺では現存する恒星は燃え尽き宇宙は暗くなる。宇宙はエントロピーの高い状態に近づく。熱的死以降の時代は銀河はブラックホールに崩壊し、またブラックホールはホーキング放射を通じて蒸散する。ある大統一理論では、陽子欠損は残りの星間ガスを陽電子と電子に変換し光子の再結合が生じる。この場合、宇宙は際限なくただ一様な放射がある容器として存在し、また次第に低いエネルギーへと赤方偏移してその放射も冷えきってしまう。
‐ビッグクランチ: 10^27
ダークエネルギーのエネルギー密度が負であるかあるいは宇宙の時空の曲率が正で開いた宇宙であるならば、宇宙の膨張はいずれ反転し宇宙は高温高密度な状態に向かって収縮する。これはビッグバンへの逆戻りに似ている。これはしばしばサイクリック宇宙論(Cyclic model)といった振動宇宙(oscillatory universe)のシナリオの一部をなしている。現在の観測によると、この模型は正しくはなく、また宇宙の膨張は継続している。
‐ビッグリップ
このシナリオは、ダークエネルギーのエネルギー密度が時間的な制限なしに増加する場合に限り見込まれる。そのようなダークエネルギーは幽霊エネルギー(phantom energy)と呼ばれ、今まで知られている(仮想粒子のエネルギーをのぞく)どのエネルギーとも似つかぬものである。この場合、宇宙の膨張速度は制限なく加速する。銀河団、銀河、あるいは太陽系といった重力束縛系は引き裂かれる。膨張は、最終的には分子や原子を維持する電磁力を振り切る。そして原子核は引き裂かれ、宇宙は重力の特異点(gravitational singularity)の例外として終わりを迎える。言葉をかえれば、宇宙は膨張し続けるあまり4つの基本相互作用をとりこみすべての物質を引き裂く。
‐真空準安定事象
宇宙が寿命の長い偽の真空(False vacuum)であるなら、宇宙はトンネル効果により低エネルギーの状態になる可能性がある。そのようなことになればすべての構造はたちどころに崩壊する。
 

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