出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
標準模型 その2
・歴史
1928年 - ポール・ディラックが相対論的量子力学により、電子の反粒子の存在を予言。(ディラック自身はこの粒子を陽子と解釈しようとした)
1931年 - ヴォルフガング・パウリがニュートリノの存在を予言。
1932年 - カール・デイヴィッド・アンダーソンにより、電子の反粒子である陽電子が発見される。
1948年 - 朝永振一郎、リチャード・P・ファインマン、ジュリアン・シュウィンガーによる量子電磁力学の繰り込みの発表。
1954年 - 楊振寧、ロバート・ミルズによりヤン・ミルズ理論が発表される。
1956年 -
楊振寧、李政道によるパリティの破れの予言。
フレデリック・ライネス、クライド・カワンらによるニュートリノの発見。
1957年 - 呉健雄らがコバルト60のベータ崩壊においてパリティが破れていることを観測する。
1964年 -
ジェイムズ・クローニン、ヴァル・フィッチらにより、K中間子の崩壊においてCP対称性が破れていることを観測される。
マレー・ゲルマンによりクォーク模型が提唱される。
ピーター・ヒッグスによりヒッグス機構が提唱される。
1967年 - スティーブン・ワインバーグにより後のワインバーグ=サラム理論が発表される。(1968年にアブドゥッサラームも独立に発表)
1971年 - ヘーラルト・トホーフト、マルティヌス・フェルトマンがヤン・ミルズ理論の繰り込みに成功。
1973年 -
小林誠と益川敏英による小林・益川理論の提唱。
デイビッド・グロスとフランク・ウィルチェック、H. デビッド・ポリツァーによる漸近的自由性の発見
ガーガメル実験(Gargamelle)により、中性カレント反応(Zボゾンを介した相互作用)の発見。
1974年 - サミュエル・ティン、バートン・リヒターにより、独立にジェイプサイ中間子(チャームクォーク)が発見される。(11月革命)
1977年 - レオン・レーダーマンにより、ウプシロン中間子(ボトムクォーク)が発見される。
1983年 - カルロ・ルビア、シモン・ファンデルメールにより、Wボソン、Zボソンの発見。
1995年 - テバトロン実験により、トップクォークが発見される。
2012年 - LHC実験によりヒッグス粒子の発見。
・未解決の問題1990年代までに得られた、3つの力に関するほとんどすべての実験結果は標準模型による予言と一致する。その一方で、理論的または実験・観測的観点から、標準模型は解決すべき問題をいくつか抱えている。このことは、標準模型を超えた物理 (Physics beyond theStandard Model)の存在を示唆する。この節では、標準模型において未解決の問題を列挙する。
・重力の量子化
標準模型は重力に対する記述を欠いている。これは、重力を量子論的に記述する枠組みが知られていないためである。そのような枠組みの候補としては、超弦理論、ループ量子重力理論などが挙げられる。