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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用

標準模型 その1

イメージ 1標準模型(略称:SMとは、素粒子物理学において、強い相互作用、弱い相互作用、電磁相互作用の3つの基本的な相互作用を記述するための理論のひとつである。標準理論または標準モデルとも言う。

概要

標準模型は、強い相互作用についての量子色力学、弱い相互作用と電磁相互作用についてのワインバーグ=サラム理論をあわせた

 SU(3)c×SU(2)L×U(1)Y

ゲージ対称性に基づいて、ヒッグス機構による真空の対称性の破れとフェルミオンの質量獲得、アノマリーの相殺の要請によるフェルミオンの世代構造と世代間混合とCP対称性の破れについての小林・益川理論などの理論の総称である。標準模型は特殊相対性理論と整合する量子論として、場の量子論的方法で記述されている。

ゲージボソン
標準模型のゲージボソン
粒子名
記号
ゲージ対称性
グルーオン
G
SU(3)c
Wボソン
W
SU(2)L×U(1)Y
Zボソン
Z
光子
A
ゲージボソンはそれぞれのゲージ群に対応して存在する。
SU(3)Cに対応するゲージボソンは、グルーオンと呼ばれている。

SU(2)LU(1)Yに対応するゲージボソンに関しては、ヒッグス機構によりゲージボソンの混合と質量の獲得が起こるので、多少複雑な様相を呈する。ウィークアイソスピン SU(2)L の非対角成分は質量を獲得してWボソンとなり、対角成分とウィークハイパーチャージ U(1)Y は交じり合って、質量を獲得するZボソンと質量を獲得しないフォトンになる。

フェルミオン
標準模型のフェルミオン
粒子名
記号
表現
クォーク
Q
(3,2)1/6
上系列反クォーク
U
(3*,1)-2/3
下系列反クォーク
D
(3*,1)1/3
レプトン
L
(1,2)-1/2
反荷電レプトン
E
(1,1)1

フェルミオンは強い相互作用をするクォークと、強い相互作用をしないレプトンに分けられる。さらに、クォークとレプトンは、それぞれ左手型(left-handed)粒子と右手型(right-handed)粒子に分類することができる。標準模型における左手型フェルミオン粒子は電弱相互作用のウィークアイソスピンを持つが、右手型粒子は持たない。そのため、左手型粒子と右手型粒子ではゲージ相互作用の仕方が異なり、標準模型はゲージ相互作用に関してカイラルな理論となっている。また、この性質のために、電弱対称性がヒッグス機構によって破れないかぎり、全てのクォークとレプトンは質量を持つことができない。全てのクォークと荷電レプトンは、ヒッグス機構によって質量を獲得する。ニュートリノは標準模型の範囲内では質量を持つことはない。

フェルミオンは左手型クォークと左手型レプトン、右手型アップクォークと右手型ダウンクォーク、右手型荷電レプトンで世代と呼ばれるグループを構成する。一般に、ゲージ相互作用を含む模型については、カイラルアノマリーと重力アノマリーが相殺されている必要があるが、世代を構成するフェルミオンの間でアノマリーが相殺される構成になっている。標準模型は、3世代のクォークとレプトンが存在する。小林・益川理論によると、フェルミオンの混合によりCP対称性が破れる為には3世代以上のフェルミオンが必要である。実際に、フェルミオンの混合に起因するCP対称性の破れは実験で確認されており、標準模型による予言と良く一致することが確かめられている。

・ヒッグス粒子

標準模型では、ヒッグス機構により電弱対称性が自発的に破れる。一般に場の揺らぎは粒子として解釈されるが、ヒッグス場の4つある揺らぎの自由度のうち3つは、WボソンとZボソンが質量を持つことに伴い、その縦波成分として吸収される。残りの1自由度は、スピン0のスカラー粒子であるヒッグス粒子としてあらわれる。20127月にジュネーブ郊外の欧州原子核研究機構(CERN)で行われているLHC実験により新粒子の発見が発表された。この新粒子の性質はヒッグス粒子と良く一致しているとされている。ヒッグス粒子の生成および崩壊の様子を詳しく調べることにより、精度を高める実験が継続中である。



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