出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
サニャック効果 その2(終わり)
・ボルン座標
角速度で回転する系のボルン座標の線素(固有時はτ=s/c)は円筒座標で下記のように表される。
時計を、とは一定で、に従い移動させると、線素は下記のように表される。
この時計の進み方は下記に比例する。
これも慣性系(非回転系)へ移行して説明すれば当然の特殊相対論効果と言える。
・リングレーザージャイロスコープの説明
リングレーザージャイロスコープの原理。慣性系に対して装置を固定した場合:光ファイバーの中の1点から光が走り出し(1)、両方の光は同時に元の位置に戻る(2)。 装置が回転している場合:光ファイバーの中の1点から光が走り出し(3)、片側の光が先に元の位置に戻る(黄色の矢印)(4)。
リングレーザージャイロスコープや光ファイバジャイロスコープ(「光ジャイロ」)を理解するために、回転する円形光路を考える。入射した光が出口に達するまでに出口の位置が変わり、光路の長さがあたかも変化したことになる。そのため定速度の光が出口から出てくる時間は光路の回転速度に依存する。
従って、装置が回転することによって、同一の周回状光路を逆方向に走った2つの光の到達時間に差が生じる。この差を測れば装置の回転速度が判る。実際の測定では、双方の光の位相差を検出し回転速度を測定している。
回転の角速度と位相差の関係を観察するための最初のリング干渉計の実験は、フランス人"GeorgesSagnac"によって、1913年に行われ、その結果、彼にちなんで「サニャック効果」と名づけられた。