出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
一般相対性理論 その6
・測地線の方程式
擬リーマン空間における測地線(geodesic)は、通常の計量空間における定義と同様に、2点間の長さを最小にする曲線として定義される。曲線の長さは、
で与えられる。ここでの積分は、曲線γ(t)に沿うものとする。ルート内の符号の+は空間的な曲線に対して、負の符号は時間的な曲線に対して適用し、いずれの場合も長さが実数になるようにする。
この長さの極値をもたらす条件を導出すると、測地線の方程式が得られる。局所座標で表現すると、方程式は、
となる。ここで、xμ(t)は、曲線γ(t)の座標であり、Γμνpは先に登場したクリストッフェル記号である。座標の常微分方程式として得られるこの式は、初期値と初速度を与えれば解を一意に決定する。この式は、曲がった時空における光・粒子の運動方程式である。
・リーマンテンソル、アインシュタイン・テンソル
時空の曲率は、レヴィ・チビタ接続∇ が定義するリーマン曲率テンソル(Riemann tensor)Rρσμνで表現される。局所座標表現では、次のように書ける。
物理的には、このリーマン曲率テンソルから、2成分を縮約したリッチテンソル(Ricci tensor)Rμνと、さらに添字を縮約したリッチスカラー曲率(Ricci scalar)R
を考えればよく、さらにその組み合わせである、
が物質分布で定まることをアインシュタインが見いだした。この最後の組み合わせGμνをアインシュタインテンソル(Einstein tensor)と呼ぶ。