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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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天体宇宙物理学への扉を開く

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
光 その2(終わり)
・光の諸性質
光には粒子性波動性があり、屈折・(全)反射・干渉(ホログラフィ)・回折・偏光 (LPLCPL) などの性質を示す。他にも次のような性質がある。
光は通常、直進する(エウクレイデスの「光の直進の法則」)。厳密には、重力場では光の経路も彎曲する
凸凹の無い平面鏡に当たった光は、鏡に当たったときと同じ角度で反射する。(エウクレイデスの「光の反射の法則」)
屈折率の異なる物質の境界面で光の速度が変化する。その結果、境界面への入射角が直角でない場合には、光の進路が変化する。(屈折)
光の屈折の際は、スネルの法則が成立する。
光の強さは、光源からの距離の2乗に反比例する。(ケプラーの光の逆2乗の法則)
光速は、光源の運動状態にかかわらず、不変である。(光速度不変の原理)
光は質量がゼロである。従って物質ではない。
光は物質のない真空中の空間を伝播することができる。
主な物質との関係ではフォトニクスと呼ばれ大別してPhoto(光化学、光物理などの分子場理論)とOpto(光学などの放射場理論)と呼び方が異なる。
光物理機能としては
 励起エネルギー移動
 化学発光
 電界発光 (EL)
光化学機能としては
 フォトレジスト
 光触媒
 光エネルギー変換
光波機能に関わるものとしては
 光ファイバー
 近接場光学
 コヒーレント分光
などがある。
・光の種類
 太陽光
 レーザー光
 放射光(電磁波)
 赤外線・可視光線・紫外線・X線(軟~硬)などが得られる。
・光の理論のタイム・テーブル
 紀元前4世紀エウクレイデス(ユークリッド)、光の直進の法則、光の反射の法則を発見。
1611ヨハネス・ケプラー、光の逆2乗の法則を発見。
1621スネルが光の屈折の法則(スネルの法則)を発見。
1637デカルトが『屈折光学』で光の屈折反射を論じる。
17世紀 ニュートンによる光の分散の実験
17世紀 レーマーによる光速度の測定
1690ホイヘンス『光についての論考』 - ホイヘンスの原理
1704ニュートン『光学』
1800年頃、ヤングの実験
1847マイケル・ファラデーによる偏光の実験
1850年頃、レオン・フーコーやアルマン・フィゾーの光速度の測定
          ウェーバによる電磁波の速度の測定
19世紀マクスウェルの方程式
1881マイケルソン・モーリーの実験
1905アインシュタインの光量子仮説
1958チャールズ・タウンズによるレーザーの発明
・他
 なお、光が、人間の目に入る直線経路は複数とりうることを2穴のピンホールを用いた実験によってシャイネルが確認した(シャイネル試験)。
 

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
電磁波 その1
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電磁波は、空間の電場と磁場の変化によって形成される波(波動)である。いわゆる光や電波は電磁波である。よくある「電界と磁界がお互いの電磁誘導によって交互に相手を発生させあう」という説明は誤りであり、何らかの原因(電荷の運動や電流の変化等)によって生じた電磁場の時間変動が空間を伝播していく、ということが電磁波の本質である。
電場と磁場は真空中にも存在するため、波を伝える媒体となる物質(媒質)が何も存在しない真空中でも電磁波は伝わる。電磁波の電場と磁場の振動方向はお互いに直角であり、また電磁波の進行方向もこれらと直角である。基本的には電磁波は空間中を直進するが、物質が存在する空間では、吸収・屈折・散乱・回折・干渉・反射などの現象が起こる。また、重力場などの空間の歪みによって進行方向が曲がることが観測されている。
電磁波は線型な波動であり, 従って重ね合わせの原理が成り立つ。そこで, 電磁波を特定方向に振動し, 特定方向のみに進む正弦波(平面波)の重ね合わせに分解して考えることが多い。そのような正弦波は、波長、振幅、伝播方向、偏光、位相という属性で完全に特徴付けられる。ある電磁波を多くの正弦波の重ね合わせとみなしたとき、波長ごとの成分をスペクトルという。
電磁波は, 特にその波長によって物体との相互作用が異なる。そこで、波長帯ごとに電磁波は違う呼び方をされることがある。すなわち, 波長の長い方から、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線などと呼ばれる。我々の目で見えるのは可視光線のみだが、その範囲波長0.4 μm - 0.7 μmは電磁波の中でも極めて狭い。
真空中を伝播する電磁波の速さは、観測者がどのような方向に、どのような速度で動きながら測定したとしても、一定値 299,792,458 m/s(約30万キロメートル毎秒)になる。これを光速度不変の原理という。これは様々な実験により, 確かめられている。この真空中の光速度は、最も重要な物理定数のひとつである。この光速度不変の原理を基にしてアインシュタインが特殊相対性理論を構築し、それまでの時間と空間の概念を一変させたことはとりわけ有名である。一方、物質(媒質)中を伝播する電磁波の速度は、真空中の光速度を物質の屈折率で割った速度になる。例えば、屈折率が 2.417 のダイヤモンドの中を伝播する可視光の速度は、真空中の光速度の約41%に低下する。ところで、電磁波が、異なる屈折率の物質が接している境界を伝播するとき、その伝播速度が変化することから、屈折が起こる。これを利用したものにレンズがあり、メガネやカメラなどに使われている。なお、屈折する角度は、電磁波の波長に依存する。これを分散と呼ぶ。虹が7色に見えるのは、太陽光が霧などの微小な水滴を通るとき、波長が長い赤色光よりも、波長の短い紫色光の方が、分散によってより大きく屈折するためである。
 

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電磁波 その2
・理論
1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルは、それまでに明らかにされていた、電磁気に関する次の4つの物理法則、1.ファラデーの電磁誘導の法則2.アンペールの法則3.電場に関するガウスの法則4.磁場に関するガウスの法則を統合することによって、マクスウェルの方程式を完成させた。これは電磁気学の基本原理である。マクスウェルの方程式からは, 理論的に波動方程式が導出されるため, 電磁場に伝わる波が存在するということが予測され、それは1888年にハインリヒ・ヘルツによる実験で発見された。
20世紀初頭に登場した量子力学は、電磁波という空間が振動して生じた連続性を持ったエネルギーの波動と、物質という原子や分子で構成された不連続な粒子(パーティクル)の集合物の間でのエネルギーの授受は、一般の巨視的な波動現象とは異なり、ランダムな熱運動をしている物質側の共振周波数に依存するエネルギーの最小単位量子の整数倍でしか行われない、不連続性を示すことをマックス・プランクが発見したことから始まった。量子力学の世界では光(電磁波)はアルベルト・アインシュタインの光量子仮説に基づいて光子として量子化して扱われている。
 
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・種類
電磁波は波長によって呼び名・用途が異なる。
電磁波は波長によって様々な分類がされており、波長の長い方から電波・光・X線・ガンマ線などと呼ばれる。
電波
周波数が 3 THz 以下(下限の周波数は規定されていない)の電磁波を指し、さらに波長域によって低周波・超長波・長波・中波・短波・超短波・マイクロ波と細分化される。詳しくは電波の周波数による分類を参照。
波長が 1 mm から 2 nm 程度のものを指し、波長域によって赤外線・可視光線・紫外線に分けられている。
X線、ガンマ線
元々はX線は電子励起(及び制動放射等の電子由来の機構)から発生する電磁波、ガンマ線は核内励起から発生する電磁波というように発生機構によって区分けされているものであるが、大雑把に波長が 1 nm 以下のものをX線、さらに短い 10 pm 以下のものをガンマ線と呼ぶ事も多い。
なお、これらの境界は統一的に定められたものではない。学問分野等によって多少の違いがある。
・特徴
電磁波は波長によって様々な特徴をもつ。
最も波長の長い電波は、進行方向に多少の障害物があっても進行することができる。このため、通信や放送などの長距離の情報送信に使用されることが多い。テレビやラジオ、携帯電話などが代表的である。
電波よりも波長の短い光は、物質に吸収されて化学反応や発熱などの相互作用を生じることがある。この現象は眼が見える理由でもあるが、他に植物の光合成やリソグラフィーなどが該当する。
さらに波長が短いX線になると、物質との相互作用が減少し、透過するようになる。この現象を利用することで、レントゲン写真やXCTを撮影することができる。
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電磁波 その2
・理論
1864年にジェームズ・クラーク・マクスウェルは、それまでに明らかにされていた、電磁気に関する次の4つの物理法則、1.ファラデーの電磁誘導の法則2.アンペールの法則3.電場に関するガウスの法則4.磁場に関するガウスの法則を統合することによって、マクスウェルの方程式を完成させた。これは電磁気学の基本原理である。マクスウェルの方程式からは, 理論的に波動方程式が導出されるため, 電磁場に伝わる波が存在するということが予測され、それは1888年にハインリヒ・ヘルツによる実験で発見された。
20世紀初頭に登場した量子力学は、電磁波という空間が振動して生じた連続性を持ったエネルギーの波動と、物質という原子や分子で構成された不連続な粒子(パーティクル)の集合物の間でのエネルギーの授受は、一般の巨視的な波動現象とは異なり、ランダムな熱運動をしている物質側の共振周波数に依存するエネルギーの最小単位量子の整数倍でしか行われない、不連続性を示すことをマックス・プランクが発見したことから始まった。量子力学の世界では光(電磁波)はアルベルト・アインシュタインの光量子仮説に基づいて光子として量子化して扱われている。
・種類
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電磁波は波長によって呼び名・用途が異なる。
電磁波は波長によって様々な分類がされており、波長の長い方から電波・光・X線・ガンマ線などと呼ばれる。
電波
周波数が 3 THz 以下(下限の周波数は規定されていない)の電磁波を指し、さらに波長域によって低周波・超長波・長波・中波・短波・超短波・マイクロ波と細分化される。詳しくは電波の周波数による分類を参照。
波長が 1 mm から 2 nm 程度のものを指し、波長域によって赤外線・可視光線・紫外線に分けられている。
X線、ガンマ線
元々はX線は電子励起(及び制動放射等の電子由来の機構)から発生する電磁波、ガンマ線は核内励起から発生する電磁波というように発生機構によって区分けされているものであるが、大雑把に波長が 1 nm 以下のものをX線、さらに短い 10 pm 以下のものをガンマ線と呼ぶ事も多い。
なお、これらの境界は統一的に定められたものではない。学問分野等によって多少の違いがある。
・特徴
電磁波は波長によって様々な特徴をもつ。
最も波長の長い電波は、進行方向に多少の障害物があっても進行することができる。このため、通信や放送などの長距離の情報送信に使用されることが多い。テレビやラジオ、携帯電話などが代表的である。
電波よりも波長の短い光は、物質に吸収されて化学反応や発熱などの相互作用を生じることがある。この現象は眼が見える理由でもあるが、他に植物の光合成やリソグラフィーなどが該当する。
さらに波長が短いX線になると、物質との相互作用が減少し、透過するようになる。この現象を利用することで、レントゲン写真やXCTを撮影することができる。
 

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電磁波 その3
・影響
-人体への影響
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 紫外線・X線・ガンマ線などの電離放射線は、遺伝子に損傷を与えるため発癌性を持つ。これらの電磁波については年間許容被曝量が法律によって決められている。
-低周波
家庭で接することの多いのは 50 Hz あるいは 60 Hz 程度の電磁波(電磁界)である。50 Hz あるいは 60 Hz 程度の電磁波(電磁界)はこの観点非電離放射線であるから遺伝子に直接影響を与えはしないともいわれる。しかし、電界や磁界を変化させてプラズマ化した物体を原子や分子の単位で制御する技術を応用して、生体を構成するたんぱく質や遺伝子などの高分子の構造を、細かく変化させて、リボザイムなどが生成されていったRNAワールドの生命誕生の過程を探る研究を行っている人々の間では、電界や磁界が低い周波数でも生体を構成する高分子にさまざまな作用を及ぼすことが知られている。
国際がん研究機関 (IARC) 2001年に行った発癌性評価では、送電線などから発生する低周波磁場には「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」 (Possibly carcinogenic to humans) と分類した。これは「コーヒー」や「ガソリンエンジン排ガス」と同じレベルにあたる。なお、静的電磁界と超低周波電界については「ヒトに対して発がん性を分類できない」 (cannot be classified as to carcinogenicity in humans) と分類された。これは「カフェイン、水銀、お茶、コレステロール」等と同じレベルにあたる。
また、国立環境研究所が平成9 - 11年度に「超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究」を行った。
-マイクロ波
高強度のマイクロ波には、電子レンジと同様に熱を生じるため生体に影響を与える可能性がある。このため、携帯電話などの無線機器などでは、人体の電力比吸収率(SAR: Specific Absorption Rate 単位は[W/kg])を用いた規定値が欧州(国際非電離放射線防護委員会)やアメリカ(連邦通信委員会)などでは決められているほか、日本では国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の電波防護ガイドラインに基づき300GHzまでの電波について、人体への影響を評価している[。学会などでも比吸収率の計算(FDTD法)や人体を模した人体ファントムの組成の決定などが行われている。
・調査
電磁波の健康への影響は調査自体が非常に難しい。一例を挙げると、米国で公的機関NIEHSRAPID計画という国家単位での電磁波の健康に対する影響の研究が行われた。この機関が作成したパンフレットでは、臨床研究、細胞を用いた実験室での研究、動物を使用した研究、疫学研究の各分野を組み合わせ検証した結果でないと全体像が見えないと解説されている。 1995年、電磁波問題に関する調査報告書をアメリカ物理学会が発表。「癌と送電線の電磁波に関係があるという憶測には、何ら科学的実証が見られない」と声明。
1996年、全米科学アカデミーは「1. 細胞、組織そして生物(人を含む)への商用周波電磁界の影響に関して公表されている研究の総合評価に基づき、現在の主要な証拠は、これらの電磁界への曝露が人の健康への障害となることを示していないと結論する。」「2.特に、居住環境での電磁界の曝露が、ガン、神経や行動への有害な影響、あるいは生殖・成長への影響を生じさせることを示す決定的で一貫した証拠は何もない。」という結論を出した。
1997年、アメリカの国立癌研究所 (NCI) 7年をかけた疫学調査の結果を「小児急性リンパ芽球性白血病と磁場との関係は検知するにも懸念するにも微弱」であると発表。この調査の過程で、白血病患者の家庭と送電線の近隣での居住、双方に全く関係が見られなかった事が判明。これにより「関係がある」とされてきた統計学的分析結果は全てエラーデータとなり、1979年に疫学者ナンシー・ヴェアサイマーが作成した論文「小児白血病と送電線の磁場には関係がある」の主張が完全な間違いであることが証明される。この研究所の調査結果は医学専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載。
それまでの送電線騒動の研究に費やされた予算は、送電線の移転、不動産価値の下落を含め250億ドル超とホワイトハウス科学事務局が概算を出した。
1999年、カナダの5つの州において調査された結果が発表され上記にある研究所の結果と酷似する結論が出される。
疫学調査の正確性に対し疑問が投げかけられることもたびたびある。日本の場合、上記「生活環境中電磁界による小児の健康リスク評価に関する研究」(国立環境研究所)に至っては、2003年に長妻昭によって「税金のむだ使い」として国会で取りあげられ、政府も「『優れた研究ではなかった』との評価がなされたところである」ということを認めた。
世界保健機関による2007年時点での公式見解
20076月に公表された、世界保健機関の公式見解を示すファクトシート322 (PDF)では、短期的影響に関しては「高レベル(100 μT よりも遙かに高い)での急性曝露による生物学的影響は確立されており、これは認知されている生物物理学的なメカニズムによって説明されています。」と評価された。一方、潜在的な長期的影響に関しては「小児白血病」と「小児白血病以外のその他の健康への悪影響」に分けて評価されており、小児白血病に関しては「全体として、小児白血病に関する証拠は因果関係と見なせるほど強いものではありません。」と評価され、その他の影響に関しては「ELF磁界曝露とこれら全ての健康影響との関連性を支持する科学的証拠は、小児白血病についての証拠よりもさらに弱いと結論付けている。幾つかの実例(すなわち心臓血管系疾患や乳がん)については、ELF磁界はこれらの疾病を誘発しないということが、証拠によって示唆されています。」と評価された。
世界保健機関による2011年時点での公式見解
2011531日、WHO(世界保健機関)のIARC(国際がん研究機関)は、携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」とする分析結果を発表した。携帯電話を耳にあてて長時間通話を続けると、脳などの癌を発症する危険性があがる可能性がある、とし、癌を発症する危険性を上げないための予防策としては、マイク付イヤホンを使用することを挙げた。
作業部会のジョナサン・サメット委員長は、「神経膠腫(しんけいこうしゅ=グリオーマ = 脳のがんの一種)や、耳の聴神経腫瘍になる危険性を高めることを示す限定的な証拠がある」とした。なお、IARC幹部は、文字のメールを打つ形での携帯電話の使用は、発がん性との関連はないと説明した。
なお、IARCは論文を多数検討した上で、「根拠はまだ限定的である。さらなる研究が必要」とも述べた。 asahi.comの記者は「それでもIARCがこのような決定をしたのは、少しでも健康に害を及ぼす可能性があるものは早めに注意喚起する、というWHOの「予防原則」からだ。」と解説した。
 

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電磁波 その4(終わり)
・「人体への影響」の関連項目
ホットスポット、Hotspotホットスポット効果
hotspot ホットスポット」とは、局地的に何らかの値が高かったり、局地的に(何らかの活動が)活発であったりする地点・場所・地域のことを指さすための用語で、具体的には以下のような場所を指す。
犯罪が多発する地区、犯罪率が高い地区。ホットスポット犯罪)
汚染物質が大気や海洋などに流出したときに、気象や海流の状態によって生じるとりわけ汚染物質の残留が多くなる地帯のこと。汚染物質の種類や流出理由は問わない。ホットスポット (汚染物質)
地球内部のマントル対流の上昇部にあたるマグマを発生させていて、その上で火山が活動している地点。ホットスポット(地学)
非等方な光の反射モデルにおいて、反射率が最大になる箇所もしくは角度。ホットスポット
水循環システム中で自然浄化機能を有する場所。干潟や湿地など。ホットスポット水循環
火薬類の内部で外部エネルギーが局所的に集中して温度が他の部分よりも高くなった場所。ホットスポット火薬学
生物学者ノーマン・マイヤーズが提唱した生物多様性にかかわる生物学上の概念 ホットスポット生物多様性
公衆無線LANが利用可能な場所のこと公衆無線LAN
NTTコミュニケーションズの公衆無線LANサービスの日本における商標ホットスポット (NTT)
コンピュータ言語のJavaの実装で採用されているJava仮想マシンおよびそれが持つ最適化技術→ HotSpot
・機械への影響
現在のエレクトロニクス機器は、低電圧の信号を高インピーダンスで扱うことが普通であるため、環境中に強い電磁波が存在すると誤動作を生じやすい。その機器が誤動作を生じやすいか生じ難いかを測る指標としてイミュニティ (Immunity) がある。特に携帯電話からは比較的強い電磁波が発せられるため、航空機や医療機器などへの影響が多数報告されている。
-航空機
航空機に関しては、携帯電話、携帯型ゲーム機等の電磁波の影響による運行計器の誤作動が多数報告され、その中には大惨事になりかねない事態を引き起こした例もあったため、まず各航空会社で規制が行われるようになった。2004年には改正航空法によって禁止される機器が定められた。20073月に同法は改正され、携帯電話、パソコン、携帯情報端末など電波を発する状態にあるものは常時使用禁止、電波を発しない状態のものでも離着陸時使用禁止とし、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ、テレビ、ラジオ等も離着陸時使用禁止と定められた。
ゲーム機に関しては、「ニンテンドーDS」や「プレイステーション・ポータブル (PSP) 」といった無線LAN内蔵の製品が存在しており機内での使用も増えているにもかかわらず、それらが2004年の改正航空法および航空法施行規則では「離着陸時のみ作動させてはならない電子機器」として指定されてしまっていて仮に無線LANの電波を発射させていても法律上取り締まれないという危険な状態であったが、各航空会社が規制を行い、その後2007年の改正で解消された。
20073月「航空機内における安全阻害行為等に関する有識者懇談会」の報告書では次のような症状が報告されている。
無線にノイズが発生
衝突防止装置が誤作動し、回避指示が出た
自動操縦で上昇している時に突然横方向に25度傾いた
自動操縦装置で水平飛行中、高度が設定値から 400 ft ずれた
着陸時に自動操縦装置の表示が大きくズレて元に戻らなくなった 
原因と推測されているのは携帯電話が6割強と最も多い。次いでパソコンが1割強。「障害が発生したケースの約9割において、電子機器を使用する者の存在が確認されている」とされ、「障害発生時に電子機器の使用を控えるようアナウンスしたところ、約5割で障害が復旧した」と報告されている。
-医療機器
医療機器に関しては、平成14年の総務省調査では、携帯電話から 11cm 離れると医療機器への影響はほぼ認められなくなる、とし、安全のためにペースメーカーから 22 cm 以上離して使用すべき等の指針を発表している
-その他
公正取引委員会は、電磁波によるネズミ撃退器について、効果が認められないとして排除命令を出した事がある
アメリカ軍は、電磁波を利用した非致死性兵器の研究を行っている
 

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ベルの不等式
ベルの不等式とは、局所的な隠れた変数理論が満たすべき相関の上限を与える式である。量子力学ではこの上限を破ることができ、実験的に、量子論と局所的な隠れた変数理論を区別することができる。同様の不等式はいくつか存在し、1982年にアラン・アスペによってCHSH不等式の破れが報告された。
局所的隠れた変数理論は実験的に否定されたが、非局所隠れた変数理論はいまだに生きており、エドワード・ネルソンの確率過程量子化をそのように解釈することができる。
 アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス(頭文字をとってEPRパラドックスと呼ばれる)は、量子力学の量子もつれ状態が局所性を(ある意味)破るので、相対性理論と両立しないのではないかというパラドックスである。アルベルト・アインシュタイン、ボリス・ポドルスキー、ネイサン・ローゼンらの思考実験にちなむ。
EPRパラドックスが発表された当時は、アインシュタインらは局所実在論の立場を取っていたため、量子論が実在論的に完全でない結果を与えることを「パラドックス」であるとした。しかし、現在では、ベルの不等式などの発見により、量子論では実在論が破綻することが明らかになっている。
文献に頻出するのはニールス・ボーアによる議論であるので、そちらのほうを用いて説明する。
最初に、「ある観測を行ったとき、必ずある値が得られるような状態があるとする。その場合、その値に対応する何かが実在している」ということを仮定する。例えば、運動量の固有状態を測定すると、必ずその固有値を返す。この場合、運動量の固有値が存在しているという考え方である。
次に、スピン0の素粒子が崩壊して、2つの電子になる場合を考える。重心系で見れば、2つの電子は互いに異なる方向に飛んでいく。従って、十分時間が経てば、2つの電子が空間的に十分離れている状態になる。この時、一方のスピンを測定したとする。この時、波束の収縮が起きるはずであるが、その影響は光速を超えて伝わることはないと仮定する。従って、短い時間ならば、他方への影響を無視できるはずである。
角運動量保存則より、(和が0でなくてはならないので)2つの電子のスピンの方向は正反対でなくてはならない。従って、他方のスピンは、必ず測定結果と逆の値を返すことになる。最初の仮定より、他方の実験結果に対応する何かが実在するはずである。
一方のスピンの測定方向は任意に選べるので、他方のあらゆる実験結果に対応する何かが実在している。これは、まさに隠れた変数理論を示唆している。つまり、真の理論は決定論的であるが、十分な知見が得られないために確率的な予言しかできないというものである。この立場では、量子力学は統計的記述としての有効性しか持たないことになる。
なお、元々のEPRの論文では、位置と運動量を同時確定する系を作っている。いずれの系も量子もつれ状態である。
-相対論との関係
上述では、波束の収縮の影響は光速を超えないと仮定した。実は、その仮定が怪しく、波束の収縮の影響は光速を超えて伝達し、従って、隠れた変数の存在を示唆しないという反論がなされた。
しかしながら、相対論によると、光速を超える相互作用は因果律を破るため禁じられており、この点で、量子論との矛盾を示唆しているように思われる。このことをさして、パラドックスと称される。
-実験的検証と現状
ジョン・スチュワート・ベルは、もし隠れた変数が存在するならば成り立つであろう不等式(ベルの不等式)を導いた。アラン・アスペは、2個の光子を使った実験で、ベルの不等式が成立しないことを示し、隠れた変数の存在は否定された。したがって現在では、「EPRパラドックス」ではなく「EPR相関」と呼ばれ、実際に起きる相関関係として理解されている。このような非局所性は量子もつれ状態特有の現象として理解され、量子テレポーテーションや量子暗号などの最先端の技術の理論的な基礎となっている。
 

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アトラクター その1
 
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アトラクターattractor)とは、ある力学系がそこに向かって時間発展をする集合のことである。その力学系において、アトラクターに十分近い点から運動するとき、そのアトラクターに十分近いままであり続ける。アトラクターの形状は点や曲線、多様体、さらにフラクタル構造を持った複雑な集合であるストレンジアトラクターなどをとりうる。カオスな力学系に対してアトラクターを描写することは、現在においてもカオス理論における一つの研究課題である。アトラクターに含まれる軌道は、そのアトラクターの内部にとどまり続けること以外に制限はなく、周期的であったり、カオス的であったりする。
・研究の動機
力学系は一般的にひとつあるいは複数の微分方程式あるいは差分方程式により表される。これらの方程式は短い時間区間における力学系の挙動を記述するので、より長い時間区間における力学系の挙動を決定するためには、その方程式を積分する必要がある。このためにしばしばコンピュータが効果的に用いられる。
実世界における力学系は散逸的であることが多いであろう。すなわち、もし力学系に運動の駆動力が無ければ、運動は停止するものと考えられる(そのような散逸は、様々な原因による内部摩擦や熱力学的損失、物質の損失などにより生じうる)。散逸と駆動力が組み合わさることにより、初期の摂動を鎮め、その力学系の振る舞いを典型的なものへと落ち着かせる傾向にある。そのような典型的な振る舞いに対応している力学系からなる位相空間の一部分はattracting section または attractee と呼ばれる。
アトラクターに似たような概念として、不変集合や極限集合が挙げられる。不変集合 (invariant set) とは、ある力学系に対して、その集合自身に時間発展するような集合のことである。アトラクターは不変集合を含むことがある。極限集合 (limit set) とは、力学系の軌道の各点から、時間が無限大に向かうときに近づく点の集合である。アトラクターは極限集合であるが、アトラクターではない極限集合も存在する。ある種の力学系において、いくつかの点においては極限集合から外れる摂動を与えられた時にも収束するが、他のいくつかの点では「はねとばされて」二度とその極限集合の近くに戻らないことがありうる。
減衰振子を例に考える。減衰振子は2つの不変集合(不動点)を持つ。最も低い位置にあるx0と最も高い位置にあるx1である。軌道はx0に収束するので、x0は極限集合であるが、x1は極限集合ではない。エネルギー散逸があるため、x0はアトラクターでもある。振り子の振動が減衰せず、エネルギーの散逸がなければ、x0はアトラクターにはならない。
・数学的定義
f(t, •) を、力学系の運動状態を決定づける関数として、以下のように定義する。ある時間 t = 0 における系の状態を表す位相空間上の点を a とすると、f(0, a) = a である。また、正の値 t > 0 に対しては、f(t, a) はその状態 a が時間 t だけ経過して発展した状態を与える。例えば、一次元空間上で座標xから速度vで等速直線運動する粒子(t = 0 での位相空間上での座標が (x, v) )の力学系の f
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と表せる。
アトラクターは、位相空間の部分集合 A で以下の3つの条件を満たすようなものである。
集合 A は関数 f に対し前方不変である。すなわち、a A ならば、任意の t > 0 に対して f(t, a) A である。
Aのある近傍で吸引流域 (basin of attraction) B(A) が存在する。B(A) は極限 t → ∞ において集合 A に含まれるすべての点 b からなる集合である。より厳密に言えば、B(A) は以下の性質を満たすようなすべての点 b からなる集合である。
集合A の任意の開近傍 N に対し、ある正の定数 T > 0 が存在し、f(t, b) N が任意の実数 t > T に対して成立する。
集合Aの真部分集合で上の二つの性質をみたすようなものは存在しない。
吸引流域は集合 A を含むようなある開集合を含むため、A に十分近いすべての点は A に吸引されることとなる。アトラクターの定義では、考えられている位相空間上の距離を用いたが、基本的には定義の指す内容は距離関数のとり方によらず位相空間のトポロジーにのみ依存する。Rnの場合では、一般的にユークリッドノルムが用いられる。
 アトラクターの定義に関しては、文献により多くの異なる定義がなされることがある。例えば、点がアトラクターとなることを避けるためにアトラクターは正の測度を持つべきであると制限をかけたり、B(A)が近傍でなくてはならないという条件を緩めたりしている。
 

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アトラクター その2
・アトラクターの形状の種類
アトラクターは力学系の位相空間の部分集合である。1960年代頃の教科書によると、それまではアトラクターは位相空間の「幾何学的な」部分集合(点、直線、曲面、体積領域)であると考えられていた。観測されていた(位相幾何学的に)「悪い」集合(wild sets)は、取るに足らない例外であると考えられていた。スティーヴン・スメイルは彼の考案した蹄鉄型写像が構造安定であること、およびそのアトラクターがカントール集合の構造を持つことを示すことに成功した。
2つの簡単なアトラクターとしては、不動点とリミットサイクルが挙げられる。その他にも多くの幾何学的な集合がアトラクターであり得る。それらの集合(あるいは集合上での動き)を図示することが困難である場合、そのアトラクターはストレンジアトラクターと呼ばれる(後述)。
・不動点
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 一般的に、不動点とは関数の点で変換に対して変化しないものである。力学系の発展を一連の座標変換の過程の連続であると見なしたとき、その全ての過程の下で不動のものとして固定し続ける点が存在するかもしれない。一般的にはそのような点は存在しないだろうが、存在する場合もあるであろう。落下する小石や、減衰振子や、グラスの中の水などが最終的に落ち着くような状態である最終状態で、ある力学系がそこに向かうようなものは、その発展関数の不動点に対応し、そのような最終状態はアトラクターにおいても起こるであろうが、その二つの概念は同値であるとはいえない。あるボウルの周囲を回るビー玉は、たとえ物理学的な空間においては不動点を持たなくても、位相空間においては持つ可能性がある。そのビー玉が運動量を失い、そのボウルの底に落ち着いたなら、そのビー玉は物理空間および位相空間において1つの不動点を持ち、その力学系のアトラクターに位置することになる。
・リミットサイクル
リミットサイクルは系の周期的軌道であり、孤立している。例えば振り子時計の振り子、ラジオのチューニング回路、安静時の心拍などがそれに当たる。理想的な振り子は軌道が孤立していないのでリミットサイクルではない。理想的な振り子の位相空間では、周期軌道の任意の点に対して別の周期軌道に属する点が存在する。
 

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アトラクター その3(終わり)
・リミットトーラス
リミットサイクルの状態を通しての系の周期的軌道には複数の周期が存在する場合もある。それら周期のうち2つが無理数を形成するとき、その軌道はもはや閉じておらず、リミットサイクルはリミットトーラスとなる。Nt個の不整合周期があるとき、このようなアトラクターをNt -トーラスと呼ぶ。下図は2-トーラスの例である。
 
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このアトラクターに対応する時系列(不整合周期を持つNt周期関数の総和を離散標本化したもの。正弦波である必要はない)は「準周期的 (quasiperiodic)」である。そのような時系列は厳密には周期的ではないが、そのパワースペクトルは鋭い線からのみ成る。
・ストレンジアトラクター
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非整数次元のアトラクターやカオス理論でしか振る舞いを説明できない力学系のアトラクターをストレンジであると(非形式的に)いう。元はカオスアトラクターと呼ばれていたが、ダヴィッド・ルエールと Floris Takens が流体の力学系における一連の分岐の結果として生じるアトラクターを指してストレンジアトラクターという造語を使用した。ストレンジアトラクターという場合、カントール集合と非可算無限集合の直積構造を持つことが多い。
ストレンジアトラクターの例として、エノンアトラクター、Rösslerアトラクター、ローレンツアトラクターTamariアトラクターなどがある。

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相転移 その1
 
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相転移phase transition)とは、化学的、物理的に均一な物質の部分である相 (Phase) が他の形態の相へ転移することの熱力学あるいは統計力学上の概念であり、それらを発生機構とする物理現象の総称でもある。相転移の発生は特定の原因に由来せず、原子あるいは分子間の相互作用を初めとし、結晶構造や局所構造あるいは磁場や温度・エネルギー分布など、場合に応じて複数の要素が複合的に作用して発生する現象である。
次に代表的な相転移の例を示す。
構造相転移(気相、液相、固相間の転移など)
磁気相転移(常磁性、強磁性、反強磁性などの間での転移)
金属-絶縁体転移(モット転移など)
常伝導-超伝導転移(超伝導)
常誘電体-強誘電体転移
真空の相転移(宇宙論)
・転移点
相転移を起こす温度や圧力などの状態量の値を転移点と呼ぶ。特定の物質において転移点は熱力学的状態により決定される値であり、たとえば特定の成分系の液相-気相転移点では圧力値など状態値が指定されれば、残りの状態値である温度、すなわち沸点は一意に決定される。このように相転移の状態値を相平衡図上で俯瞰すると転移点は図上では連続した線分を形成する。
転移点の例を次に示す。
沸点、融点、昇華点、(凝固点)
キューリー温度、ネール温度
ガラス転移点
 

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相転移 その2
・相転移の種類
相転移は大別すると準安定状態を持つ第一種相転移 (phase transition of the first kind)」と、それを持たない第二種相転移 (phase transition of the second kind)」に分類される。
これとは別にポール・エーレンフェストの分類法では自由エネルギーの温度あるいは圧力の n 階微分が不連続点を有する場合を「n次相転移」と呼ぶ。例えば、 1階微分が不連続点を有する場合を「一次相転移 (first order transition)」、2階微分が不連続点を有する場合を「二次相転移」と呼ぶ。転移点が一次相転移か二次相転移かの別により「一次相転移点」、「二次相転移点」と呼び分ける場合もある。
一次相転移と第一種相転移とは一致するが、エーレンフェストの二次相転移の定義に該当しない高次相転移も第二種相転移には含まれる。
相転移は自発的に生じる場合もあるが、一次相転移のように準安定状態を持ちうる場合は、過熱状態や過冷却状態のように転移点を越えても相転移を生じない場合がある。このような準安定状態では何らかの外的要因で核となる新しい相が発生し、それが引き金となって系全体に相転移が波及する。
・第一種相転移
物質の三態の間の状態変化はいずれも代表的な第一種相転移であり、次のように呼び分けられる。
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沸点において液体全体から蒸発が生じる場合は「沸騰」と呼ばれる。
†† 凝結と呼ばれる場合がある。特に固体表面での凝縮は「結露」と呼ばれる。
第一種相転移の転移点は圧力により変化する。物質固有の三重点以下の圧力では液相が存在しないため、蒸発や凝縮、融解や狭義の凝固は起こらない。また、臨界点以上の圧力では気相と液相の相違がなくなり、単一の相しか存在しない。
 

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相転移 その3(終わり)
・物理学的性質
一次相転移点の前後では,エントロピーやモル比熱などが不連続である。そして、前後の化学ポテンシャルμ1, μ2とは一致し、相転移の状態にある2つの相にはクラウジウス-クラペイロンの式が成立する。
第一種相転移は準安定状態を持つので固体表面や空間に浮遊する吸湿性の微小粒子やイオンなどの刺激するものが存在しないことが原因で過熱状態や過冷却状態のように転移点を越えても相転移を生じない場合がある。すなわち電子レンジで過熱した水の突沸や、放射線検出器の霧箱・泡箱の原理はこの第一種相転移の準安定状態に由来する。
物性としての蒸発のし易さ、し難さを「揮発性」・「不揮発性」という。液体の表面張力に打ち勝つ熱運動エネルギーを持つ分子は蒸発することができる。言い換えると、蒸発する分子は液体表面への付着についての仕事関数を超える力学エネルギーをもっている。したがって蒸発は液体の温度が高かったり、表面張力が低かったりするほど早く進行する。
また、理想気体あるいは理想液体では圧力に依存してその振る舞いを変えることはないが、実際の物質の場合には高圧になると気相と液相の振る舞いに相違がなくなる。その限界の転移点を「臨界点」と呼ぶ。その臨界点を超えた相の状態を超臨界状態と呼ぶ。
・転移熱
熱的現象としては第一種相転移が進行中の一成分系は圧力が一定の場合、系の温度が一定のままでの系外への熱の放出あるいは吸収が見られる。このような機構で生じる熱を転移熱(heat of transition)または潜熱(latent heat)とよぶ。そもそも熱の定義は物体に作用することで温度変化をもたらす物理量であり、一次相転移点以外の状態では熱の作用は温度変化をもたらすのでこの場合を顕熱(sensible heat)とよび、一次相転移点において作用により温度変化を生じない場合を潜熱と呼び分けたことに由来するので、顕熱と潜熱とで物理量である熱として違いがあるわけではない。
相転移前後を状態1、状態2とした場合、それぞれの相の生成エンタルピー H1, H2の総量の差分だけ、転移熱が発生する。
転移熱の単位は質量あたりの熱量 (J/g) または物質量あたりの熱量 (J/mol) で示される。例えば、水の融解熱は 333.5 J/g、気化熱は 2256.7 J/g である。
次に転移熱に該当する熱現象を次に示す。
蒸発熱(気化熱、凝縮熱) - 気相・液相間の第一種相転移
融解熱(凝固熱)- 液相・固相間の第一種相転移
・第二種相転移
代表的な第二種相転移である物理現象としては、構造相転移、磁気相転移、常伝導から超伝導状態への転移、液体ヘリウムの超流動状態などが挙げられる。一般に第二種相転移はある秩序変数が秩序無秩序へと転移する現象である。秩序変数としては結晶内の原子配列の規則化や磁性体の磁気的秩序等、多岐に渡る。
二次あるいは高次の相転移では化学ポテンシャルの一次導関数も連続である為、転移熱は発生せず、比体積の不連続点も発生しない。
一方、二次相転移では、化学ポテンシャルの二次導関数等は不連続で比熱や磁化率が転移点で不連続性を示す。そのほかにも第二種相転移点付近では物理量の異常性が現れ、それらは臨界現象と総称される。たとえば、比熱が第二種相転移点付近でギリシャ文字のλ の形のグラフを示して発散するケースはラムダ転移と呼ばれる。
 

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ゲーデル解
 ゲーデル解(Gödel solution)は、一般相対性理論のアインシュタイン方程式の厳密解の一つ。クルト・ゲーデルが1949年に発表した。物質分布を規定するエネルギー・運動量テンソルを、回転する一様なダスト粒子として仮定し、ゼロでない宇宙項を仮定したアインシュタイン方程式のもとで得られる。
ゲーデルの解には時空特異点は存在しない。この解は、宇宙項の大きさをダストの密度によって再定義するなど多分に人工的なものであるが、解としてはさまざまな奇妙な振る舞いをするため、アインシュタイン方程式そのものに内在する困難さを代表するものとして、よく登場する。
時空がどこかを中心として自転している場合に相当するので、中心からはるかに離れ、回転速度が相対的に光速を越える場所では時間の輪が生じることになり、宇宙の歴史が周期的に繰り返される(過去と未来の区別が局所的にしか成立しない)と解釈することも可能である。したがって、時間旅行が理論的に可能になる。
計量
ゲーデルの解は、次の計量 (metric) で表される。
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ここで、ω は、ゼロではない実の定数で、角速度を表す。
ωがゼロなると、括弧内の式の値と関係なく、ds が無限大になって、物理学では処理できないことになる。
 

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原子核融合 その1
 原子核融合nuclear fusion)とは、軽い核種同士が融合してより重い核種になる反応である。一般には単に核融合と呼ばれることが多い。
イメージ 1原子核同士がある程度接近すると、原子核同士が引き合う力(核力)が反発する力(クーロン力)を超え、2つの原子が融合することになる。融合のタイプによっては融合の結果放出されるエネルギー量が多いことから水素爆弾などの大量破壊兵器に用いられる。また核融合炉によるエネルギー利用も研究されている。
核分裂反応に比べて、反応を起こすために必要な温度・圧力が高いため技術的ハードルが高く、現在のところ、水素爆弾は核分裂反応を利用して起爆する必要があり、核融合炉は高温高圧の反応プラズマを封じ込める技術開発が困難を極めている。
なお、具体的な放出エネルギー量や反応を起こさせる方法の詳細については核融合炉も参照のこと。
・核融合の種類
熱 核融合 - 超高温により起こる核融合。本項で詳説する。
衝突核融合 - 原子核を直接に衝突させて起こす核融合。原子核の研究目的。
スピン偏極核融合 - 陽子と中性子の自転の角運動量のパラメータ(スピン)を制御する事により核融合反応を制御する。
ピクノ核融合 - 非常に高密度の星(白色矮星)の内部で起こっていると考えられている核融合反応。電子が原子核のクーロン力を強く遮断して、低温の状態でも零点振動による量子トンネル効果により核融合が起こる。
ミューオン触媒核融合 - 負ミューオンが原子核の電荷1つ分を核近くまで無効化するので核融合が起こりやすくなる。負ミューオンは消滅までに何度もこの反応に関与できるので触媒のように作用する。
常温核融合 - 室温で核融合が起こるとされた実験報告がなされた。
 

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原子核融合 その2
・融合炉・爆弾での反応
D-T反応
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*D-T反応
 D + T 4He + n
核融合反応の中でもっとも反応させやすいのが、重水素(D)と三重水素(トリチウム、T)を用いた反応である。これは過去には水素爆弾に利用され、現在でも、もっとも実現可能性の高い核融合炉の反応に用いられている。
・恒星での反応
恒星などの生み出すエネルギーも、基本的には核融合によるものである。
*D-D反応
 D + D T + p
 D + D 3He + n
収縮しつつある原始星の中心温度が約250Kを超えると、初めて核融合が起こる。最初に起こるのは、比較的起こりやすい、2つの重水素(D) が反応する重水素核融合(工学ではD-D反応と呼ぶことも多い)である。重水素核融合を起こした天体を褐色矮星と呼ぶ。
中心の温度が約1,000Kを超えると(ちなみに太陽の中心は1,500K)、以下に述べるような水素核融合を起こし、恒星と呼ばれる。
・陽子-陽子連鎖反応
次の、軽水素(陽子、p)どうしが直接反応する水素核融合を、陽子-陽子連鎖反応、p-pチェインなどと呼ぶ。太陽で主に起こっている核融合反応である。
(1) p + p 2H + e+ + νe
2つの陽子が融合して、重水素となり陽電子とニュートリノが放出される。
(2) 2H + p 3He + γ
重水素と陽子が融合してヘリウム3が生成され、ガンマ線としてエネルギーが放出される
(3) 3He + 3He 4He + p + p
ヘリウム3とヘリウム3が融合してヘリウム4が生成され、陽子が放出される。
CNOサイクル
次の、炭素(C)・窒素(N)・酸素(O) を触媒とした水素核融合を、CNOサイクルと呼ぶ。星の中心温度が約2,000Kを超えると、p-pチェインよりCNOサイクルのほうが優勢になる。
(a-1) 12C+4p 12C+α
(b-1) 12C+p 13N
(b-2) 13N+3p
12C+α
(c-1) 12C+p 13N
(c-2) 13N+p
14O
(c-3) 14O+2p
12C+α
系の温度が高いとa->b->cの順に反応経路が変化し、反応速度が速まるが、基本的には炭素1+陽子4つが炭素1つとアルファ線になる反応である。
また、b,cでは13N14Oがそれぞれベータ崩壊、ガンマ崩壊する前に次のステップに進む。
・ヘリウム燃焼
恒星の中心核に充分な量のヘリウムが蓄積された場合に起こる反応。水素原子核の核融合の後に残ったヘリウムは恒星の中心に沈殿し、重力により収縮して中心核の温度が上がる。約1K程度になると3つのヘリウム原子核がトリプルアルファ反応を起こし、炭素が生成され始める。
 3 4He C
ヘリウム中心核からの熱により核の周辺部では水素の核融合が継続する。
 

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電磁波 その4(終わり)
・「人体への影響」の関連項目
ホットスポット、Hotspotホットスポット効果
hotspot ホットスポット」とは、局地的に何らかの値が高かったり、局地的に(何らかの活動が)活発であったりする地点・場所・地域のことを指さすための用語で、具体的には以下のような場所を指す。
犯罪が多発する地区、犯罪率が高い地区。ホットスポット犯罪)
汚染物質が大気や海洋などに流出したときに、気象や海流の状態によって生じるとりわけ汚染物質の残留が多くなる地帯のこと。汚染物質の種類や流出理由は問わない。ホットスポット (汚染物質)
地球内部のマントル対流の上昇部にあたるマグマを発生させていて、その上で火山が活動している地点。ホットスポット(地学)
非等方な光の反射モデルにおいて、反射率が最大になる箇所もしくは角度。ホットスポット
水循環システム中で自然浄化機能を有する場所。干潟や湿地など。ホットスポット水循環
火薬類の内部で外部エネルギーが局所的に集中して温度が他の部分よりも高くなった場所。ホットスポット火薬学
生物学者ノーマン・マイヤーズが提唱した生物多様性にかかわる生物学上の概念 ホットスポット生物多様性
公衆無線LANが利用可能な場所のこと公衆無線LAN
NTTコミュニケーションズの公衆無線LANサービスの日本における商標ホットスポット (NTT)
コンピュータ言語のJavaの実装で採用されているJava仮想マシンおよびそれが持つ最適化技術→ HotSpot
・機械への影響
現在のエレクトロニクス機器は、低電圧の信号を高インピーダンスで扱うことが普通であるため、環境中に強い電磁波が存在すると誤動作を生じやすい。その機器が誤動作を生じやすいか生じ難いかを測る指標としてイミュニティ (Immunity) がある。特に携帯電話からは比較的強い電磁波が発せられるため、航空機や医療機器などへの影響が多数報告されている。
-航空機
航空機に関しては、携帯電話、携帯型ゲーム機等の電磁波の影響による運行計器の誤作動が多数報告され、その中には大惨事になりかねない事態を引き起こした例もあったため、まず各航空会社で規制が行われるようになった。2004年には改正航空法によって禁止される機器が定められた。20073月に同法は改正され、携帯電話、パソコン、携帯情報端末など電波を発する状態にあるものは常時使用禁止、電波を発しない状態のものでも離着陸時使用禁止とし、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ、テレビ、ラジオ等も離着陸時使用禁止と定められた。
ゲーム機に関しては、「ニンテンドーDS」や「プレイステーション・ポータブル (PSP) 」といった無線LAN内蔵の製品が存在しており機内での使用も増えているにもかかわらず、それらが2004年の改正航空法および航空法施行規則では「離着陸時のみ作動させてはならない電子機器」として指定されてしまっていて仮に無線LANの電波を発射させていても法律上取り締まれないという危険な状態であったが、各航空会社が規制を行い、その後2007年の改正で解消された。
20073月「航空機内における安全阻害行為等に関する有識者懇談会」の報告書では次のような症状が報告されている。
無線にノイズが発生
衝突防止装置が誤作動し、回避指示が出た
自動操縦で上昇している時に突然横方向に25度傾いた
自動操縦装置で水平飛行中、高度が設定値から 400 ft ずれた
着陸時に自動操縦装置の表示が大きくズレて元に戻らなくなった 
原因と推測されているのは携帯電話が6割強と最も多い。次いでパソコンが1割強。「障害が発生したケースの約9割において、電子機器を使用する者の存在が確認されている」とされ、「障害発生時に電子機器の使用を控えるようアナウンスしたところ、約5割で障害が復旧した」と報告されている。
-医療機器
医療機器に関しては、平成14年の総務省調査では、携帯電話から 11cm 離れると医療機器への影響はほぼ認められなくなる、とし、安全のためにペースメーカーから 22 cm 以上離して使用すべき等の指針を発表している
-その他
公正取引委員会は、電磁波によるネズミ撃退器について、効果が認められないとして排除命令を出した事がある
アメリカ軍は、電磁波を利用した非致死性兵器の研究を行っている
 

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ベルの不等式
ベルの不等式とは、局所的な隠れた変数理論が満たすべき相関の上限を与える式である。量子力学ではこの上限を破ることができ、実験的に、量子論と局所的な隠れた変数理論を区別することができる。同様の不等式はいくつか存在し、1982年にアラン・アスペによってCHSH不等式の破れが報告された。
局所的隠れた変数理論は実験的に否定されたが、非局所隠れた変数理論はいまだに生きており、エドワード・ネルソンの確率過程量子化をそのように解釈することができる。
 アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス(頭文字をとってEPRパラドックスと呼ばれる)は、量子力学の量子もつれ状態が局所性を(ある意味)破るので、相対性理論と両立しないのではないかというパラドックスである。アルベルト・アインシュタイン、ボリス・ポドルスキー、ネイサン・ローゼンらの思考実験にちなむ。
EPRパラドックスが発表された当時は、アインシュタインらは局所実在論の立場を取っていたため、量子論が実在論的に完全でない結果を与えることを「パラドックス」であるとした。しかし、現在では、ベルの不等式などの発見により、量子論では実在論が破綻することが明らかになっている。
文献に頻出するのはニールス・ボーアによる議論であるので、そちらのほうを用いて説明する。
最初に、「ある観測を行ったとき、必ずある値が得られるような状態があるとする。その場合、その値に対応する何かが実在している」ということを仮定する。例えば、運動量の固有状態を測定すると、必ずその固有値を返す。この場合、運動量の固有値が存在しているという考え方である。
次に、スピン0の素粒子が崩壊して、2つの電子になる場合を考える。重心系で見れば、2つの電子は互いに異なる方向に飛んでいく。従って、十分時間が経てば、2つの電子が空間的に十分離れている状態になる。この時、一方のスピンを測定したとする。この時、波束の収縮が起きるはずであるが、その影響は光速を超えて伝わることはないと仮定する。従って、短い時間ならば、他方への影響を無視できるはずである。
角運動量保存則より、(和が0でなくてはならないので)2つの電子のスピンの方向は正反対でなくてはならない。従って、他方のスピンは、必ず測定結果と逆の値を返すことになる。最初の仮定より、他方の実験結果に対応する何かが実在するはずである。
一方のスピンの測定方向は任意に選べるので、他方のあらゆる実験結果に対応する何かが実在している。これは、まさに隠れた変数理論を示唆している。つまり、真の理論は決定論的であるが、十分な知見が得られないために確率的な予言しかできないというものである。この立場では、量子力学は統計的記述としての有効性しか持たないことになる。
なお、元々のEPRの論文では、位置と運動量を同時確定する系を作っている。いずれの系も量子もつれ状態である。
-相対論との関係
上述では、波束の収縮の影響は光速を超えないと仮定した。実は、その仮定が怪しく、波束の収縮の影響は光速を超えて伝達し、従って、隠れた変数の存在を示唆しないという反論がなされた。
しかしながら、相対論によると、光速を超える相互作用は因果律を破るため禁じられており、この点で、量子論との矛盾を示唆しているように思われる。このことをさして、パラドックスと称される。
-実験的検証と現状
ジョン・スチュワート・ベルは、もし隠れた変数が存在するならば成り立つであろう不等式(ベルの不等式)を導いた。アラン・アスペは、2個の光子を使った実験で、ベルの不等式が成立しないことを示し、隠れた変数の存在は否定された。したがって現在では、「EPRパラドックス」ではなく「EPR相関」と呼ばれ、実際に起きる相関関係として理解されている。このような非局所性は量子もつれ状態特有の現象として理解され、量子テレポーテーションや量子暗号などの最先端の技術の理論的な基礎となっている。
下図は、ベルの不等式の概念図を示す。
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アトラクター その2
・アトラクターの形状の種類
アトラクターは力学系の位相空間の部分集合である。1960年代頃の教科書によると、それまではアトラクターは位相空間の「幾何学的な」部分集合(点、直線、曲面、体積領域)であると考えられていた。観測されていた(位相幾何学的に)「悪い」集合(wild sets)は、取るに足らない例外であると考えられていた。スティーヴン・スメイルは彼の考案した蹄鉄型写像が構造安定であること、およびそのアトラクターがカントール集合の構造を持つことを示すことに成功した。
2つの簡単なアトラクターとしては、不動点とリミットサイクルが挙げられる。その他にも多くの幾何学的な集合がアトラクターであり得る。それらの集合(あるいは集合上での動き)を図示することが困難である場合、そのアトラクターはストレンジアトラクターと呼ばれる(後述)。
・不動点
イメージ 1
 一般的に、不動点とは関数の点で変換に対して変化しないものである。力学系の発展を一連の座標変換の過程の連続であると見なしたとき、その全ての過程の下で不動のものとして固定し続ける点が存在するかもしれない。一般的にはそのような点は存在しないだろうが、存在する場合もあるであろう。落下する小石や、減衰振子や、グラスの中の水などが最終的に落ち着くような状態である最終状態で、ある力学系がそこに向かうようなものは、その発展関数の不動点に対応し、そのような最終状態はアトラクターにおいても起こるであろうが、その二つの概念は同値であるとはいえない。あるボウルの周囲を回るビー玉は、たとえ物理学的な空間においては不動点を持たなくても、位相空間においては持つ可能性がある。そのビー玉が運動量を失い、そのボウルの底に落ち着いたなら、そのビー玉は物理空間および位相空間において1つの不動点を持ち、その力学系のアトラクターに位置することになる。
・リミットサイクル
リミットサイクルは系の周期的軌道であり、孤立している。例えば振り子時計の振り子、ラジオのチューニング回路、安静時の心拍などがそれに当たる。理想的な振り子は軌道が孤立していないのでリミットサイクルではない。理想的な振り子の位相空間では、周期軌道の任意の点に対して別の周期軌道に属する点が存在する。
 

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アトラクター その3(終わり)
・リミットトーラス
リミットサイクルの状態を通しての系の周期的軌道には複数の周期が存在する場合もある。それら周期のうち2つが無理数を形成するとき、その軌道はもはや閉じておらず、リミットサイクルはリミットトーラスとなる。Nt個の不整合周期があるとき、このようなアトラクターをNt -トーラスと呼ぶ。下図は2-トーラスの例である。
 
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このアトラクターに対応する時系列(不整合周期を持つNt周期関数の総和を離散標本化したもの。正弦波である必要はない)は「準周期的 (quasiperiodic)」である。そのような時系列は厳密には周期的ではないが、そのパワースペクトルは鋭い線からのみ成る。
・ストレンジアトラクター
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非整数次元のアトラクターやカオス理論でしか振る舞いを説明できない力学系のアトラクターをストレンジであると(非形式的に)いう。元はカオスアトラクターと呼ばれていたが、ダヴィッド・ルエールと Floris Takens が流体の力学系における一連の分岐の結果として生じるアトラクターを指してストレンジアトラクターという造語を使用した。ストレンジアトラクターという場合、カントール集合と非可算無限集合の直積構造を持つことが多い。
ストレンジアトラクターの例として、エノンアトラクター、Rösslerアトラクター、ローレンツアトラクターTamariアトラクターなどがある。
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