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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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天体宇宙物理学への扉を開く

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
クインテセンス
物理学でクインテセンス(quintessence)とは、観測による膨張宇宙を説明するために仮定されたダークエネルギーの形式である。
部分的に宇宙定数問題について説明することが出来る。いくつかの場合についてクインテセンスはファントムエネルギーの形となる。
エネルギーが物質や放射の形をとるときには、重力の引力のため宇宙の膨張を減速させる。逆にクインテセンスは重力による力が斥力となり宇宙膨張を加速させる。
クインテセンスは宇宙膨張の加速率を変え宇宙マイクロ波背景放射に影響を与えるので、WMAPプランク(人工衛星)などでそれらの効果が観測できるとされている。
・宇宙膨張が加速する理由
宇宙は膨張しつつあり、銀河やクェーサーは遠くにあるものほど速いスピードでわれわれから遠ざかっている。これは、いまの天文学では常識である。しかし、万有引力によって物質はたがいに引き付けあうので、将来その膨張が止まるか止まらないかは別として、膨張のスピードはしだいに遅くなると考えられていた。
遠く離れた銀河の距離や後退速度は、超新星を利用して、精度の高い測定がなされている。特に、タイプIの超新星は明るく、遠くでも比較的観測しやすいこと、絶対光度がほとんど一定であることのため、距離と後退速度の関係を求めるのによく利用される。最近、超新星を観測している2つのグループから、それぞれ、「宇宙の膨張はむしろ加速している」という驚くべき結果が報告された。これは相当信頼のおける結果と考えられている。
では、どうして膨張が加速されるのでしょう。加速があるとしたら、そこに何かの力が作用しているはずである。しかし、何がそのような力を働かせているのか、いまの物理学では、すぐには思い当たるものが存在していない。
ここで思い出されるのは、アインシュタインが1917年に取り入れた宇宙定数ラムダのことである。重力によって宇宙が収縮してしまうのを避けるために導入したラムダであったが、宇宙膨張が発見されて不要の仮説となり、「人生最大の誤りであった」としてアインシュタインはこれを取り下げてしまった。ところが、このラムダ(Λ、斥力)が、宇宙膨張の加速を説明するため、近ごろ、ふたたび宇宙論に現れてきているのである。
プリンストン大学のスタインハルト(Steinhardt,Paul J.)らは、この加速が、クインテセンス(quintessence)と呼ばれる新種の物質の影響である可能性を述べている。クインテセンスはマイナスの質量をもち、物質を遠くへ押しやる斥力を働かせる。この斥力ラムダは定数ではなく、宇宙の初期には大きくてインフレーションをもたらし、その後しだいに減少して、今日の小さいレベルになった、しかしいまなお宇宙膨張を加速させているというのである。
これだけの説明では、単なるおとぎ話のように思われるかもしれないが、この種の概念は、量子力学的に、真空場とか、超低エネルギー励起など、これまでにわかっている物理学で理解できる可能性もあると言われている。
現在のラムダの値は理論的に観測可能で、現実に測定されてもいるが、その結果からすべての系統誤差が除かれている保証はなく、もちろんクインテセンスの存在が立証されたわけでもない。しかし、望遠鏡、検出器などの性能が飛躍的に進歩している今日のことであるから、この問題について、何らかの結論がもたらされる日が遠くはないかもしれない。
 

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