出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
ミンコフスキー空間 その3(終わり)
・歴史
ミンコフスキー空間の名前はドイツの数学者ヘルマン・ミンコフスキーにちなんだものである。ミンコフスキーは1907年ごろに、(アルバート・アインシュタインによって発展させられていた)特殊相対性理論が時間の次元と空間の3つの次元を組み合わせた四次元の時空を用いることで簡素に説明されることを見いだした。
「空間と時間に関し私がここで展開したいと思っている視点は、実験物理学の土壌から芽生えたものであり,その力強さを内に持っている。この視点は革新的なものであり,これからは空間それ自身であるとか時間それ自身であるとかいったような概念は陰にすぎないところへと消え去っていくことになる。そしてこの両者を合わせたもののみが独立した実在としてあり続けることになる。」– ヘルマン・ミンコフスキー、1908年
1890年代における双曲四元数の発展によりミンコフスキー空間への道が開かれることになった。実際のところ,数学的にはミンコフスキー空間とは双曲四元数の空間から乗法の情報を忘れて双線形形式
η(p,q)= -(pq* + (pq*)*)/2
(これは双曲四元数の積pq*によって定まる)のみを残したものと考えることができる。
ちなみにミンコフスキー空間(Minkowski space)とは、上述したように、非退化で対称な双線型形式を持つ実ベクトル空間のことを言う。ドイツの数学者のヘルマン・ミンコフスキーに因んで名付けられている。アルベルト・アインシュタインによる特殊相対性理論を定式化する枠組みとして用いられる。この設定の下では空間に時間を組み合わせた時空を表現するため、ミンコフスキー時空とも呼ばれる。