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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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天体宇宙物理学への扉を開く

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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
重力相互作用(重力) その2(終わり)
・地球表面の重力値の相違と重力加速度
概説で述べたように、同じ地球上でも場所によって重力の大きさ(重力値)が異なっている。それは以下のような理由からである。
測定点の標高が場所ごとに異なっていること
周囲の地形の影響が場所により異なっていること
地球が完全な球形ではなく、回転楕円体のような形状をしていること
自転による遠心力が緯度により異なっていること
地球の内部構造が一様ではないこと
高度が増加するとゆるやかに重力値が減少してゆくわけであるが、その減少の度合いというのは地表付近では1mあたり0.3086mGal(ミリガル)程度である。ただしこれも場所により1割程度の変動はある。
2番目の「地形の影響」というのは、険しい巨大な山岳などのふもとでは、山が上向きの引力(万有引力)を及ぼしていることなどを意味しており、山岳地帯ではこうした影響は数十mGalに達する。
5番目の地球の内部構造(地下構造)に起因する重力値の過大や過小を重力異常と言う。
単に重力加速度といった場合は、地球表面の重力加速度を意味することが多い。重力加速度の大きさは、緯度や標高、さらに厳密に言えば場所によって異なる。

ジオイド上(標高0)の重力加速度は、赤道上では 9.7799 m/s2と最も小さくなり、北極、南極の極地では9.83 m/s2と最も大きくなる。赤道と極地との差の主な理由は自転による遠心力であるが、自転以外にも地殻の岩盤の厚さ、種類、地球中心からの距離などによる影響も若干受ける。このため、重力を精密に測定し、標準的な重力と比較することで地殻の構造を推定することができる。測定手法には絶対重力測定と相対重力測定があり、日本では国土地理院が日本重力基準網として基準重力点を設定している。

国際度量衡会議では、定数として使える標準重力加速度の値を g = 9.80665 m/s2と定義している。
・古典力学
イメージ 1
古典力学で説明される重力とは、他の質量から受ける万有引力(以下「引力」)と、慣性力との合力である。
例えば、地球表面に存在する物体は、地軸のまわりを等速円運動しているため、地軸に対して垂直に、下記の慣性力(この場合、遠心力)を受けている。
        遠心力=質量×地軸までの距離×(角速度)2
したがって、実際に観測される重力は、引力と遠心力の合力となる。引力は、地球が球対称ではないため厳密にではないが、ほぼ地球の中心方向に向かう。それに対し重力は、遠心力が加わるため、地球の中心方向からやや赤道寄りに(北半球なら南寄りに)ずれ、大きさはやや小さくなる。
慣性の力は座標系に依存するため、重力も座標系に依存する(引力は座標系に依存しない)。そして、基準となる座標系は時と場合により異なる。通常は地球の自転と共に動く回転系で考えるが、乗り物の中などでは乗り物の座標系で考えることもある。たとえば乗り物に乗って「Gがかかる」とか「重力がかかる」とか言った場合は、乗り物の座標系で考えている。
一方、天文学や宇宙開発では、宇宙空間のことは適当な慣性系で考えることが多い。すると、慣性の力は存在しないので、重力という言葉を引力と同じ意味で使うことになる。たとえば人工衛星の運動を絶対座標で説明すると、「重力(= 引力)が向心力となって回転運動をしている」となる。あるいは、暗黙のうちに極座標系で考え、「重力(= 引力)と遠心力がつりあっている」となる(極座標で考えているので、地球との距離が変わらない状態がつりあいである。また、ここで言う遠心力とは慣性力ではなく、座標系が直交座標系でないことによる見かけの力である)。一方、人工衛星の座標系で考えれば、引力と遠心力(慣性力)がつりあっており、その合力である重力はゼロ、つまり無重力である。しかし重力がゼロかどうかは、このように座標系によるので、無重力と言う言葉を避け「無重量」と言うこともある。


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