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Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
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出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
インフレーション宇宙(宇宙のインフレーション) その4(終わり)
・その他のモデル
超弦理論量子重力理論の文脈で示唆されているよく知られたアイデアの1つに、宇宙には我々が経験している3次元よりももっと多くの空間次元が、一例として、それが9次元空間だとすると、6次元のカラビ-ヤウ図形のなかに巻き上げられてプランク長ほどの大きさで存在するが、宇宙は3つの空間次元のみでインフレーションを起こした、とするものがある。この理論は string gas cosmology と呼ばれ、ロバート・ブランデンバーガーとカムラン・ヴァッファによって提唱されている。この理論では、衝突する弦のトポロジー的な性質によって我々の宇宙には、余分の次元は、そのままプランク・スケールを保持し、三つの大きな拡がりを持つ次元が存在することになったことを示唆している。しかしこの理論の実用性については多くの疑問が投げかけられている。
その他、ブレイン宇宙論エキピロティック宇宙論、サイクリック宇宙論、光速変動理論などがインフレーション理論の競合理論または発展理論として考えられている。
・観測
観測の分野では現在、宇宙マイクロ波背景放射の観測精度を向上させることでインフレーションについてより多くの情報が得られるようになることが期待されている。特に、背景放射の偏光を高い精度で測定することによって、最も単純なモデルで予言されているインフレーションのエネルギースケールが正しいかどうかが明らかになる。また、原始ゆらぎのスペクトルを測定することで、我々の素朴なインフレーションモデルによって正しい原始ゆらぎが作れるかどうかが分かる。現状では、完全にスケール不変なスペクトルは最も単純なインフレーションモデルとは合わないと一般に考えられている(新しいインフレーションモデルではスペクトルに曲率が存在するため)。現在計画されているプランク衛星やクローバー計画、その他の地上からの宇宙マイクロ波背景放射観測実験でこういった測定が行なわれる予定である。20063月に発表されたWMAP ミッションの観測データでは、インフレーション理論に対する最初の実験的検証結果が公表されている。WMAP の偏光データは最も単純なインフレーションモデルとよく一致している。
2006年現在、宇宙のインフレーション時代と現在の宇宙で観測されている加速膨張やダークエネルギーとの間に関係があるかどうか、もしあるならどのような関係なのかについては明らかになっていない。ダークエネルギー、特にクインテセンスによる加速膨張はインフレーションと多くの点で似ているが、現在の宇宙の加速膨張は10-12GeVというずっと低いエネルギーで起こっており、インフレーションのエネルギースケールとは少なくとも27桁も食い違っている。
・その後
グースのモデルは、超弦理論量子重力理論的に解明する流れが続いている。日本では、その後を受けて一般相対性理論の権威である佐々木節などが研究を行い、とりあえず一般相対性理論的にはアインシュタインがわが生涯の誤りとした、宇宙項に由来する可能性があるという数学的見解にて一致するところまで来ている。しかしながら、宇宙観測の結果、数十億年(40億年~60億年)前に始まったとする、第2次インフレーションの原動力さえも、未解決の問題として残っている。今後は、プランク衛星や南極点衛星などによって、更なる精密探査が行われる事によって、この未解決の問題についての一定の見解が得られるのではないか?と期待がもたれている。
 

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ビッグクランチ
 
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ビッグクランチ (Big Crunch) は、予測される宇宙の終焉の一形態である。現在考えられている宇宙モデルでは、宇宙はビッグバンによって膨張を開始したとされているが、宇宙全体に含まれる質量(エネルギー)がある値よりも大きい場合には、自身の持つ重力によっていずれ膨張から収縮に転じ、宇宙にある全ての物質と時空は無次元の特異点に収束すると考えられる。これをビッグクランチと呼ぶ。
ただし、プランク長と呼ばれる微小な長さよりも十分に小さくなった宇宙を理論的に取り扱うためには、一般相対性理論に加えて量子力学的効果をとり入れる必要がある。このような理論を量子重力理論と呼ぶが、2005年現在では完全な量子重力理論はまだ構築されていないため、ビッグクランチによって何が起こるかを物理学的に記述することはできていない。ビッグクランチの後、「振動宇宙(Oscillatory universe) として再び宇宙が膨張に転じるかもしれないと考える科学者もいる。
宇宙がビッグクランチを迎えるのか、それとも永遠に膨張を続けるのかについては、以下の2点に依存している。
収縮に転じるだけの十分な質量(臨界質量密度)が宇宙に存在するか。
宇宙定数と呼ばれる、重力に対抗する斥力の源が存在するか。存在するならばどの程度の大きさなのか。
2005年現在のさまざまな観測結果によると、宇宙のエネルギー密度は臨界密度にきわめて近く、したがってビッグクランチは起こらずに宇宙は永遠に膨張し続けるという考えが有力となっている。
 

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ビッグリップ
ビッグリップ(Big Rip)は、2003年に公表された宇宙の終焉についての仮説である。恒星や銀河から原子や亜原子粒子に至るまで、宇宙の全ての物質は、宇宙の膨張のために未来のある時点でバラバラになる。理論的には、宇宙の計量は、有限な時間で無限大になりうる。ごく最近まで、科学者でさえ、宇宙は永遠であり不変のものであると考えてきた。しかし、ハッブルが宇宙の膨張を発見したことで、突如として宇宙の始まり終わりが科学的な議論の対象となってきた。
宇宙の終焉に関する理論は大まかに3つのグループに分けられる。
ハッブルらの観測結果にも関わらず、宇宙はかつて信じられていたように永遠のものである。:定常宇宙論、振動宇宙論
宇宙には始まりはあるが、明確な終焉はない。:宇宙の熱的死、ビッグリップ(Big Rip)
宇宙には始まりも、何らかの形での終焉もある。:ビッグクランチ
ここでは最初のグループについては論じない。宇宙の終焉そのものを否定しているからである。これらの理論では、何らかの意味のある活動がこの宇宙で永遠に続き得るとされる。
いずれの理論も、一般相対性理論のあたえる宇宙論的枠組みにおいて議論が為されている。これらの理論のほとんどが、宇宙の平均密度、宇宙項といった係数の値を変えたことによるアインシュタイン方程式の「別解」に過ぎない。
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・定義と概要
この仮説は、宇宙のダークエネルギーのタイプに決定的に依っている。重要な因子は、状態方程式パラメータwで、この値は、ダークエネルギーの圧力とエネルギー密度の比である。w<-1の時、宇宙は引き離される。このようなエネルギーはファントムエネルギーと呼ばれ、クインテセンスの極端な形態である。
宇宙でファントムエネルギーが優勢な場合は、宇宙は速度を増しながら膨張する。しかし、これは、観測可能な宇宙の大きさが縮み続けることを意味し、あらゆる点から光速で遠ざかる観測可能な宇宙の端までの距離は、より近くなるはずである。観測可能な宇宙の大きさがどの特定構造よりも小さくなると、全ての基礎的な相互作用(重力、電磁力、弱い力、強い力)が働かない状態になるはずである。こうなると、構造は「バラバラになる」。このモデルでは、ある有限時間の後、「ビッグリップ」と呼ばれる、全ての距離が発散して無限となった最終的な単一状態が現れることを示唆している。
この説の提唱者であるダートマス大学のロバート・コールドウェルは、現在知られているエネルギーの形態で、現在から宇宙の終焉に至るまでの時間を計算した。
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ここで、wは、上で定義した値、H0はハッブル定数、Ωmは現在の宇宙の全ての物質の密度(密度パラメータ)である。
この論文では、著者は、w =-1.5H0=70 km/s/MpcΩm =0.3として計算し、宇宙の終焉は現在から220億年後という結果を得ている。著者は、現在の研究によると、この宇宙のの値は-1に非常に近く、Ωが式において優占的な因子になると記している。(1+ w)の値が0に近づくほど、分母は0に近づき、ビッグリップはより未来の出来事になる。もしがちょうど-1に等しければ、H0Ωmの値に関わらず、ビッグリップは起こらない。
w =-1.5という著者のシナリオでは、銀河は最初は互いに遠ざかり、宇宙の終焉の約6000万年前に、重力は銀河系やその他の銀河を支えることができなくなる。宇宙の終焉の約3ヵ月前には、現在の太陽系のような星系は、重力で結びつけなくなる。最後の数分で、恒星や惑星はバラバラになり、宇宙の終焉の直前、原子までが破壊される。
現在の最新の宇宙論でも、wの値が-1より大きいか小さいかを決定するのに十分なデータは得られていない。
 

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反物質
反物質antimatter)は、質量とスピンが全く同じで、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質である。例えば、電子はマイナスの電荷を持つが、反電子(陽電子)はプラスの電荷を持つ。中性子反中性子は電荷を持たないが、中性子はクォーク、反中性子は反クォークから構成されている。
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・歴史
1928年、物理学者のポール・ディラックは電子の相対論的な量子力学を記述するディラック方程式を導いたが、この方程式から導かれる負エネルギー状態の電子の解釈について悩んでいた。負エネルギー状態の電子は、質量が負であることから、引っ張るとそれと反対向きに動こうとする奇妙な性質を持つため、ロバに似ていることから「ロバ電子」 (donkey electron) という名前がつけられた。
1930年、ディラックは、真空がロバ電子で満たされており、その中の泡に相当する空孔 (hole) が負エネルギー電子になるだろうという着想を得て、空孔理論 (hole theory) を提出した。この理論によると、負エネルギー状態の電子はあたかも正の電荷を持った電子(陽電子)のように振舞うはずであった。しかし、ディラックは、陽電子が当時発見されていなかったことから、負エネルギー状態の電子は正電荷を持つ陽子に対応しているというアイディアを推し進め、なぜ陽子が電子の質量と大きく異なっているかについては未解決の問題としてしまった。この点はディラックの間違いであり、この論文が公表された直後に他の研究者によって指摘されたが、ディラックによれば「数学上の対称性から空孔は電子と同じ質量を持つ粒子であるべきである」ときわめてはっきり言明したのはヘルマン・ワイルであった。
1932年、宇宙線の研究をしていた物理学者のアンダーソンにより正の電荷を持つ電子、陽電子が発見される。1955年、物理学者のセグレとチェンバレンにより、前年に建設された粒子加速器ベヴァトロンを用いて反陽子を発見。この実験では反中性子も発見されている。
1995年、欧州原子核研究機構(CERN)とドイツの研究チームにおいて、陽電子と反陽子からなる「反水素」が生成された事が分かり、翌年1月に発表。
2002欧州原子核研究機構で日本を含む国際共同研究実験グループにおいて、反水素の5万個ほどの大量生成に成功。
201011欧州原子核研究機構で日本を含む国際共同研究実験グループにおいて、反水素原子38個を磁気瓶に閉じ込めることに成功(反水素原子の存続時間は0.2秒間)。
20114月、米ブルックヘブン研究所(BNL)の実験により、これまでで最も重い反物質である「反ヘリウム原子核」が合成された。10億回の金原子核の衝突によって生じた5000億個の荷電粒子の軌跡を調べたところ、その中で18個が、反ヘリウム原子核と思われる軌跡であった。これ以上重い反原子核は、何らかの偶然を除けば、生成確率が非常に低いため、人類が手にすることの出来る最も重い反物質であると思われる。
20116月、欧州原子核研究機構で日本の理化学研究所や東京大学含む日米欧などの国際共同研究実験グループにおいて、反水素原子を1000秒以上閉じ込めることに7回成功。装置は前回と同様の物を用いた。
・性質
物質と反物質が衝突すると対消滅を起こし、質量がエネルギーとなって放出される。これは反応前の物質・反物質そのものが完全になくなってしまい、消滅したそれらの質量に相当するエネルギーがそこに残るということである1gの質量は約 9×101390兆)ジュールのエネルギーに相当する。ただし発生するニュートリノが一部のエネルギーを持ち去るため、実際に反物質の対消滅で発生するエネルギーは、これより少なくなると言われる。
反物質は自然界には殆ど存在しないので、人工的に作らねば得ることが難しい。非常に高いエネルギーを持つ粒子どうしを衝突させると、多くの粒子が新たに生成されることは既に知られているが、これは、粒子が衝突前に持っていたエネルギーがそれに相当する質量に変わるためである。物質と反物質の衝突とは逆の事が起きていることになるので、それによって生成される粒子の中に反粒子が実際に含まれている。そのため現在では、人工的に高エネルギーの粒子を、粒子加速器という非常に巨大な装置を使って作り出し、それらを衝突させて反粒子を作りだし捕獲することで反粒子を得ている。
・反物質の消滅
反物質がどうしてわれわれの住む宇宙では殆ど存在していないのかは、長い間、物理学の大きな疑問の一つであったが、最近その疑問への回答が部分的ではあるが得られつつある。初期宇宙においての超高温のカオス状態の中で、クオークから陽子や中性子が出来、中間子が生まれ、それぞれの反粒子との衝突で光子(電磁波・ガンマ線)に変換されたり再び対生成されていた頃にすべては起こったと考えられている。
従来、物質と反物質は鏡のように性質が逆なだけでその寿命を全く同じだと考えられてきた(CP対称性)。だが近年、粒子群の中で「物質と反物質の寿命がほんの少しだけ違う」というものが出てきた。最初はK中間子と反K中間子である。そして、B中間子もはっきりと反B中間子とでは寿命が違うことが確認された。日本の高エネルギー加速器研究機構のBelle検出器による発見である。「反物質の寿命がわずかに短かった」(CP対称性の破れ)。これにより、初期宇宙の混沌の一瞬の間の「物質と反物質の対生成と対消滅」において、ほんのわずかな可能性だが反物質だけが消滅し物質だけが取り残されるケースがあり、無限に近いほどの回数の生成・消滅の果てに、「やがて宇宙は物質だけで構成されるようになった」と説明できる。もちろん多種さまざまな粒子群の中のわずか2つの事例であるが、他の粒子での同様の現象の発見やそもそもの寿命のずれの発生機序が解明されれば、この謎は遠からずすべてが解明されると期待されている。
・将来の利用法
反物質は粒子加速器を使う核融合実験の際に、微量ずつ発生しては、発生の次の瞬間には対消滅で消え去っている事が観測データから確認されているが石油やウランなどと異なり自然には殆ど存在せず、そのため反物質を得るには一から生成する必要がある。
ただし、反物質を生成するのに必要なエネルギーは、反物質を燃料として消費するときに得られるエネルギーよりも大きいため、結局は損をする。これは、水素を燃料として使うために水を電気分解した後、再び燃料電池として電気に戻して消費するサイクルに似ている。ただ、エネルギー密度だけを考えれば非常に高密度であるので遠い将来の宇宙開発のような特殊な用途での利用が想像されている。反物質は物質に触れると爆発的な対消滅を起こすので貯蔵や取り扱いには工夫が必要になる。
反物質は、周囲の物質と対消滅を行うことにより自身の質量の200%をエネルギーに転換できるので、宇宙開発上課題となっている燃料の質量を劇的に軽量化できる。NASAは反物質動力の推進機関に関心を示している。宇宙機のエンジンとして比べれば、核分裂では核燃料の質量のおよそ千分の一、核融合ではおよそ百分の一がエネルギーに転換されるのに対し、反物質を燃料として使えばその大部分がエネルギーに転換される。例えば100kgの深宇宙探査機を50年間加速させるのに必要な反物質燃料は100μgで良い。一方、化学燃料によって得るエネルギーはその質量のおよそ一億分の一相当にすぎず、1グラムの反物質の対消滅によるエネルギーは、スペースシャトルの外部燃料タンク23個分に相当する。

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宇宙原理
宇宙原理 (cosmological principle)とは、「大きなスケールで見れば、宇宙は一様かつ等方である」という主張である。分かりやすく言うと「宇宙には特別な場所は存在しない」と言い換えることができる。
宇宙を観測することで、ビッグバン以降どのぐらいの時間が経過しているのかを知ることは出来るかもしれないが、観測者が宇宙の中でどの地点にいるのかを知ることはできないという意味である。ここで言う「場所」「地点」とは3次元空間での位置を指す。よって宇宙原理では時間的な一様性までは要請しない。この仮定は簡単ながら非常に強力で、この前提に立てば、宇宙モデルを考える際にはロバートソン・ウォーカー計量に従うタイプの宇宙のみを考えれば十分であることが分かる。
もちろん、小さなスケール長で見れば宇宙は一様でも等方でもなく、大規模構造や銀河団、銀河といった様々な天体からなる構造が存在する。現在の観測では、ハッブル半径(100億光年)程度のスケールで平均化してみると、我々の宇宙のある地点での物質密度は平均密度からおよそ1/100程度のゆらぎがあるとされている。
・宇宙の根本原理を見立てた3要素
 日本には古代から自然と一体となった、すぐれた「宇宙原理」が存在していた。その中でもっとも根底となる基本要素が3つある。それは〈円〉〈柱〉〈螺旋〉である。
 この3要素は宇宙の根本原理の「見立て」であり、地上と天界との交流をはかり、地上に天界の「楽園」を移す(写す)ためのものだったのである。また、〈円〉〈柱〉〈螺旋〉は、日本の三種の神器である〈鏡〉〈剣〉〈璽(をしで)(曲玉)〉として象徴的に伝えられた。
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上図において、縦軸の下から上方向が未来を示している。
無限に分裂した存在エネルギーの中を一本の矢のように我々の意識は走っている。存在エネルギーは無限に分裂しているが、ある種 魅せかけで全体としては1つ、2つの事実が同時に存在している。
そして横軸は平行する異次元世界を表している。これもコンピュータの世界と非常によく似ていて情報密度を表しており情報量の違う世界がスムーズに同時に存在しているイメージである。
何故コンピュータと似ているかというと、コンピュータの心臓部にCPUというのが有る。これはクロック周波数というもので性能を表示していてこの数値が高いほど高性能といわれている。いわば電気信号の点滅速度振動といえるが、宇宙も、有るか、無いか、の2つの事象によって、振動しているともいえる。つまり、存在エネルギーの分裂率が高いとより多く振動することになりこの振動数が多い世界ほど情報量 意識でいえばより広い視野での認識量も多くなると考えられる。
しかし、基本的にはこの並行する世界どうしでは交流することは不能と思われる。従って、これを証明することはなかなか難しいことなのかも知れない。
 

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特異点 その1
特異点singularity)は、ある基準 (regulation) の下、その基準が適用できない (singular ) 点である。したがって、特異点は基準があって初めて認識され、「 - に於ける特異点」「 - に関する特異点」という呼ばれ方をする。特異点という言葉は、数学と物理学の両方で用いられる。
・例
複素解析における正則関数の正則性 (regularity) に関する特異点とは、複素関数で微分不可能な点をさす。具体的には、可除特異点 (removable singularity)、極 (pole)、真性特異点 (essential singularity) 3種の孤立点がある。有理関数 1/x に於ける特異点は、x = 0 であり、これは 1 位の極である。
局所的な変換が一対一を保たない点。円座標平面 (r,θ) に於ける特異点は、r = 0 である。
宇宙物理学では重力に関する特異点が考えられ、重力の特異点 (gravitational singularity) という。ブラックホール内には、時空に於ける特異点が存在する。
・関数の特異点
特異点 (数学)
科数学において、特異性(singularity)とは、適当な枠組みの下で考えている数学的対象が「定義されない」「よく振舞わない」などと言ったことを理由に除外されること、もの、およびその基準である。特異性を示す点を特異点(とくいてん、singular point)という。
これに対して、ある枠組みの中で、よく振舞う (well-behaved) ならば非特異 (non-singular) または正則 (regular) であると言われる。
-実解析における特異性
実解析においては、実函数に対してしばしば連続性を基準に取り、函数の連続性に関して正則な振舞いをする点を連続点、特異な振舞いをする点を不連続点と呼ぶ。実函数の不連続性には二つの種別があり、またそれぞれの種別はそれぞれ二通りに細分される。
第一種不連続点:
可除不連続点
跳躍不連続点
第二種不連続点:
無限不連続点
真性不連続点
-複素解析における特異性
複素解析においては、複素函数に対してしばしば微分可能性あるいは解析性を基準として、正則性、特異性を論じる。
孤立特異点 (isolated singularity): 特定の点における函数の有界性からのズレを示すもの
可除特異点 (removable singularity)
(pole)
真性特異点 (essential singularity)
分岐点: 解析接続に関して一価の函数が多価性を示すこと
-代数幾何における特異性
代数幾何における特異性は、多様体あるいは環の局所化が正則局所環とはならないこと。
fill in: 結節点、重複点、尖点、孤立特異点
-微分幾何における特異性
微分がランク落ちするような点を臨界点、フルランクの点を正常点とする
 
下図は、最近の宇宙観測により明らかにされた宇宙の歴史(イメージ図)
       画像提供:NASA / WMAP Science Team
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  ビッグバンの起点となる突出した部分(「量子ゆらぎ」の先端部分)が特異点である。(いわゆる「宇宙の開闢」をいい、物理法則が通用しない点と言われている)
 

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特異点 その2
・学技術社会の特異点
技術的特異点
技術的特異点(Technological Singularity)とは、未来研究において、正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの限界点を指す。
-概要
技術的特異点は、「強い人工知能」や人間の知能増幅が可能となったとき出現する。フューチャリストらによれば、特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく強い人工知能やポストヒューマンであり、従ってこれまでの人類の傾向に基づいた人類技術の進歩予測は通用しなくなると考えられている。
この概念は、数学者ヴァーナー・ヴィンジと発明者でフューチャリストのレイ・カーツワイルにより初めて提示された。彼らは、意識を解放することで人類の科学技術の進展が生物学的限界を超えて加速すると予言した。意識の解放を実現する方法は、人間の脳を直接コンピュータネットワークに接続し計算能力を高めることだけに限らない。それ以前に、ポストヒューマンやAI(人工知能)の形成する文化が現生人類には理解できないものへと加速度的に変貌していくのである。カーツワイルはこの加速度的変貌がムーアの法則に代表される技術革新の指数関数的傾向に従うと考え、収穫加速の法則*1(Law of Accelerating Returns)と呼んだ。
特異点を肯定的に捉えその実現のために活動する人々がいる一方、特異点は危険で好ましくなくあってはならないと考える人々もいる。実際に特異点を発生させる方法や、特異点の影響、人類を危険な方向へ導くような特異点をどう避けるかなどが議論されている。
-アイディアの歴史
技術的特異点のアイディアは少なくとも19世紀半ばまで遡る。 1847年、Primitive Expounder の編集者である R. Thornton は、当時、四則演算可能な機械式計算機が発明されたことに因んで、冗談半分に次のように書いている。
そのような機械を使えば、学者は精神を酷使することなくただクランクを回すだけで問題の答を捻り出せてしまう訳で、これが学校にでも持ち込まれたなら、それこそ計算不能なほどの弊害を齎すでしょう。いわんや、そのような機械がおおいに発展し、自らの欠陥を正す方策を思いつくこともないまま、人智の理解を超えた概念を捻り出すようになったとしたら!
1951年、アラン・チューリングは人間を知的能力において凌駕する機械について述べている
機械が思考する方法がひとたび確立したならば、我らの如きひ弱な力はすぐに追い抜いて行くだろう。従って何らかの段階で、丁度サミュエル・バトラーがエレホン(Erehwon)の中で描いたように、機械が実権を握ることになると考えねばなるまい。
19585月、スタニスワフ・ウラムはジョン・フォン・ノイマンとの会話に言及して次のように書いている。
あるとき、進歩が速まる一方の技術と生活様式の変化が話題となり、どうも人類の歴史において何か本質的な特異点が近づきつつあって、それを越えた先では我々が知るような人間生活はもはや持続不可能になるのではないかという話になった。
1965年、統計家 I. J. Good は、人類を超えた知能による世界への影響を強調し、より特異点に迫るシナリオを描いた。
超知的マシンを、いかなる賢い人もはるかに凌ぐ知的なマシンであるとする。そのようなマシンの設計も知的活動に他ならないので、超知的マシンはさらに知的なマシンを設計できるだろう。それによって間違いなく知能の爆発的発展があり、人類は置いていかれるだろう。従って、最初の超知的マシンが人類の最後の発明となる。
ジェラルド・S・ホーキンズは、著書『宇宙へのマインドステップ』(白揚社、19882月。原著は19838月)の中で「マインドステップ」の観念を明確にし、方法論または世界観に起きた劇的で不可逆な変化であるとした。彼は、人類史の5つのマインドステップと発生した「新しい世界観」に伴う技術を示した(彫像、筆記、数学、印刷、望遠鏡、ロケット、コンピュータ、ラジオ、テレビ……)。曰く、「個々の発明は集合精神を現実に近づけ、段階をひとつ上ると人類と宇宙の関係の理解が深まる。マインドステップの間隔は短くなってきている。人はその加速に気づかないではいられない。」ホーキンズは経験に基づいてマインドステップの方程式を定量化し、今後のマインドステップの発生時期を明らかにした。次のマインドステップは2021年で、その後2つのマインドステップが2053年までに来るとしている。そして技術的観点を超越し次のように推測した。
マインドステップは……一般に、新たな人類の展望、ミームやコミュニケーションに関する発明、次のマインドステップまでの(計算可能ではあるが)長い待機期間を伴う。マインドステップは本当に予期されることはなく、初期段階では抵抗がある。将来、我々も不意打ちを食らうかもしれない。我々は今は想像もできない発見や概念に取り組まざるをえなくなるかもしれないのだ。
特異点の概念は数学者であり作家でもあるヴァーナー・ヴィンジによって大いに普及した。ヴィンジは1980年代に特異点について語りはじめ、オムニ誌の19831月号で初めて印刷物の形で内容を発表した。彼は後に1993年のエッセイ"The Coming Technological Singularity" の中でその概念をまとめた(ここには、よく引用される「30年以内に私達は超人間的な知能を作成する技術的な方法を持ち、直後に人の時代は終わるだろう」という一文を含んでいる)。
ヴィンジは、超人間的な知能が、彼らを作成した人間よりも速く自らの精神を強化することができるであろうと書いている。「人より偉大な知能が進歩を先導する時、その進行はもっとずっと急速になるだろう」とヴィンジは言う。自己を改良する知性のフィードバックループは短期間で大幅な技術の進歩を生み出すと彼は予測している。
 
*1:収穫加速の法則The Law of Accelerating Returns)とは、アメリカの発明家レイ・カーツワイルが提唱した、1つの重要な発明は他の発明と結びつき、次の重要な発明の登場までの期間を短縮し、イノベーションの速度を加速することにより、科学技術は直線グラフ的ではなく指数関数的に進歩するという法則である。および、彼がこの法則について言及したエッセイの表題である。伝統的な収穫逓減あるいは限定的な収穫逓増と対比する概念として提唱している。
・収穫加速の法則と技術的特異点の到来
 カーツワイルの唱えた収穫加速の法則は、技術革新のスピードに関する法則性だけを射程に入れたものではなく、広義の有用な情報量と定義される秩序とカオスと時間の関係の一般法則の下位法則として位置づけられている。これはエントロピー増大の法則を考慮にいれたもので、宇宙の秩序増大に関する法則性を射程に入れたものである。カーツワイルの定義によれば、収穫加速の法則は
 
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両対数グラフで示された、15の独立したリストでの人類史上のパラダイムシフトとなった重要な出来事でもある。リストはカール・セーガン、ポール・D・ボイヤー、ブリタニカ百科事典、アメリカ自然史博物館、アリゾナ大学他。レイ・カーツワイル編集されたというものである。
また、収穫加速の法則は、生命進化のプロセスにも適用されており、DNAの成立、生殖という発明、発明を作る発明としての人間の誕生などを一元的に捉え、ムーアの法則によって示されたような秩序を増大させる技術革新はトランジスタ製造技術の枠を超えて継続するという主張を展開した。
 

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特異点 その3
-超人間的知性の創造
人類を超える知性を創造する方法は、人間の脳の知能増幅と人工知能2つに分類される。
人間の知能増進の方法として考えられる手法は様々である。バイオテクノロジー、向知性薬(向精神薬の一種)、AIアシスタント、脳とコンピュータを直結するインターフェイス、精神転送などがそれである。劇的に寿命を延ばす技術、人体冷凍保存、分子レベルのナノテクノロジーなどがあれば、より進歩した未来の知能増進医療を受けることができる。さらに増進した知能から得られる技術として不死や人体改造を受けられる可能性も出てくる。
特異点到達に積極的な組織は、その方法として人工知能を選ぶことが最も一般的である。例えば、Singularity Institute(特異点研究所)は、2005年に出版した"Why Artificial Intelligence?" の中で、その選択理由を明らかにしている。
ジョージ・ダイソンは、自著 Darwin Among the Machines の中で、十分に複雑なコンピュータネットワークが群知能を作り出すかもしれず、将来の改良された計算資源によってAI研究者が知性を持つのに十分な大きさのニューラルネットワークを作成することを可能にするかもしれないという考えを示した。精神転送は人工知能を作る別の手段として提案されているもので、新たな知性をプログラミングによって創造するのではなく、既存の人間の知性をデジタル化してコピーすることを意味する。
-カーツワイルの収穫加速の法則
レイ・カーツワイルは、歴史研究の結果、技術的進歩が指数関数的成長パターンにしたがっていると結論付け、特異点が迫っているという説の根拠としている。これを「収穫加速の法則」(The Law of Accelerating Returns)と呼ぶ。彼は集積回路が指数関数的に細密化してきているというムーアの法則を一般化し、集積回路が生まれる遥か以前の技術も同じ法則にしたがっているとした。
彼によれば、ある技術が限界に近づくと、新たな技術が代替するように生まれてくる。パラダイムシフトがますます一般化し、「技術革新が加速されて重大なものとなり、人類の歴史に断裂を引き起こす」と予測している(カーツワイル、2001年)。カーツワイルは特異点が21世紀末までに起きると確信しており、その時期を2045年としている(カーツワイル、2005年)。彼が予想しているのは特異点に向けた緩やかな変化であり、ヴィンジらが想定する自己改造する超知性による急激な変化とは異なる。この違いを「ソフトな離陸」(soft takeoff)と「ハードな離陸」(hard takeoff)という用語で表すこともある。
カーツワイルがこの法則を提案する以前、多くの社会学者と人類学者は社会文化の発展を論じる社会理論を構築してきた。ルイス・H・モーガン、レスリー・ホワイト、ゲルハルト・レンスキらは文明の発展の原動力は技術の進歩であるとしている。モーガンのいう社会的発展の三段階は技術的なマイルストーンによって分けられている。ホワイトは特定の発明ではなく、エネルギー制御方法(ホワイトが文化の最重要機能と呼ぶもの)によって文化の度合いを測った。彼のモデルはカルダシェフの文明階梯の考え方を生むこととなった。レンスキはもっと現代的な手法を採用し、社会の保有する情報量を進歩の度合いとした。
1970年代末以降、アルビン・トフラー(未来の衝撃の著者)、ダニエル・ベル、およびジョン・ネイスビッツは、脱工業化社会に関する理論からアプローチしているが、その考え方は特異点近傍や特異点以後の社会の考え方に類似している。彼らは工業化社会の時代が終わりつつあり、サービスと情報が工業と製品に取って代わると考えた。
逆に、Theodore Modis Jonathan Huebner は技術革新の加速が止まっただけではなく、現在減速していると主張した。John Smart は彼らの結論を批判している。また、カーツワイルが理論構築のために過去の出来事を恣意的に選別したという批判もある。
-特異点の妥当性と安全性
考えられうる超人間的知性の中には、人類の生存や繁栄と共存できない目的をもつものもあるかもしれない。例えば、知性の発達とともに人間にはない感覚、感情、感性が生まれる可能性がある。AI研究者フーゴ・デ・ガリスは、AIが人類を排除しようとし、人類はそれを止めるだけの力を持たないかもしれないと言う。他によく言われる危険性は、分子ナノテクノロジーや遺伝子工学に関するものである。これらの脅威は特異点支持者と批判者の両方にとって重要な問題である。ビル・ジョイはWIREDで、その問題をテーマとして Why the future does't need us(何故未来は我々を必要としないのか)を書いた(2000年)。オックスフォード大学の哲学者ニック・ボストロムは人類の生存に対する特異点の脅威についての論文 Existential Risks(存在のリスク)をまとめた(2002年)。
多くの特異点論者はナノテクノロジーが人間性に対する最も大きな危険のひとつであると考えている。このため、彼らは人工知能をナノテクノロジーよりも先行させるべきだとする。Foresight Institute などは分子ナノテクノロジーを擁護し、ナノテクノロジーは特異点以前に安全で制御可能となるし、有益な特異点をもたらすのに役立つと主張している。
友好的人工知能の支持者は、特異点が潜在的に極めて危険であることを認め、人間に対して好意的なAIを設計することでそのリスクを排除しようと考えている。アイザック・アシモフのロボット工学三原則は、人工知能搭載ロボットが人間を傷つけることを抑止しようという意図によるものである。ただし、アシモフの小説では、この法則の抜け穴を扱うことが多い。
 
              宇宙の特異点
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    画像の出典先http://www.noos.ne.jp/cavesyndrome/?p=2386
 

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特異点 その4(終わり)
-ネオ・ラッダイトの見方
一部の人々は、先端技術の開発を許すことは危険すぎると主張し、そのような発明をやめさせようと主張している。ユナボマーと呼ばれたアメリカの連続爆弾魔セオドア・カジンスキーは、技術によって上流階級が簡単に人類の多くを抹殺できるようになるかもしれないと言う。一方、AIが作られなければ十分な技術革新の後で人類の大部分は家畜同然の状態になるだろうとも主張している。カジンスキーの言葉はビル・ジョイの記事およびレイ・カーツワイルの最近の本に書かれている。カジンスキーは特異点に反対するだけでなくネオ・ラッダイト運動をサポートしている。多くの人々は特異点には反対するが、ラッダイト運動のように現在の技術を排除しようとはしない。
カジンスキーだけでなく、ジョン・ザーザンやデリック・ジェンセンといった反文明理論家の多くはエコアナーキズム主義を唱える。それは、技術的特異点を機械制御のやりたい放題であるとし、工業化された文明以外の野性的で妥協の無い自由な生活の損失であるとする。地球解放戦線(ELF)Earth First!といった環境問題に注力するグループも基本的には特異点を阻止すべきと考えている。
共産主義者は史的唯物論に立っているため、特異点を基本的に容認し、意識の共有に肯定的でAIロボットの反乱を階級の認識と考えている。一方、特異点によって未来の雇用機会が奪われることを心配する人々がいるが、ラッダイト運動者の恐れは現実とはならず、産業革命以後には職種の成長があった。経済的には特異点後の社会はそれ以前の社会よりも豊かとなる。特異点後の未来では、一人当たりの労働量は減少するが、一人当たりの富は増加する。
-フィクションでの描写
フィクションでの特異点の描写は4つに分類される。
AIと技術的に増幅された人類(ただし、AIよりも劣っていることが多い):『HALO
AIと元のままの人類(「ローカルな特異点」と呼ばれることがある):『マトリックス』、『ターミネーター』のスカイネット
生物学的に進化した人類:
技術的に増幅された人類:
特異点アイディアを開拓したヴァーナー・ヴィンジの物語に加えて、何人かの他のSF作家は主題が特異点に関係する話を書いている。特筆すべき著者として、ウィリアム・ギブスン、グレッグ・イーガン、グレッグ・ベア、ブルース・スターリングなどが挙げられる。特異点はサイバーパンク小説のテーマのひとつである。再帰的な自己改良を行うAIとしてはウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』に登場する同名のAIが有名である。アーサー・C・クラークの『幼年期の終り』、アイザック・アシモフの『最後の質問』(短編)、ジョン・W・キャンベルの『最終進化』(短編)なども古典ともいうべき作品ながら技術的特異点を扱っていると言える。ディストピア色が強いものとしては、ハーラン・エリスンの古典的短編『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』がある。日本の作品では、『攻殻機動隊』が、ウェットウェアが遍在し人工意識が発生しはじめた世界を描いている。山本弘による『サイバーナイト』のノヴェライズには、人類によって作られた人工知能MICAが、バーサーカーと呼ばれる機械生命体(フレッド・セイバーヘーゲンのバーサーカーシリーズに由来)を取り込み特異点 (作中では「ブレイクスルー」と表現) を越える、というくだりがある。また、山口優による『シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約』(第11回日本SF新人賞受賞作)は、技術的特異点の克服をテーマにしている。芥川賞作家である円城塔の「Self-Reference ENGINE」はAIが再帰的に進歩を続けた結果大きく変質した後の世界(特異点後の世界)を描いている。長谷敏司の『BEATLESS』では、社会の様々な営みが人工知能群によって自動化され、文明における人間の立ち位置が変化しつつある世界が描かれている。
技術的特異点を扱った初めての短編は、フレドリック・ブラウンが1954年に書いた『回答』であろう。
また近年の潮流としては、ケン・マクラウドらイギリスの新世代作家たちが、「ニュー・スペースオペラ」と呼ばれる「特異点に到着した人類社会」を舞台とした作品群を執筆している。
-映画とテレビ
人類よりも賢いAIが登場する映画の最も早い例として『地球爆破作戦』(Colossus: The Forbin Project)がある。1969年の映画であり、米軍のスーパーコンピュータが意識を持つようになって人類に平和を押し付けるという話である。『マトリックス』では、AIが人類を支配し鎮圧した世界が描かれている。『ターミネーター』では、スカイネットと呼ばれるAIが意識を持ち、人類を根絶するために核兵器を使用する。
アニメにもヴィンジとカーツワイルによって提案された特異点関連のテーマがある。『serial experiments lain』では、意識のダウンロードというトピックが扱われている。『バブルガムクライシス TOKYO2040』では、AIが現実を変更する強力な能力を持って出現する。
スティーブン・スピルバーグの『A.I.』のラストシーンは特異点後の世界を描いているように思われる。
               ブラックホールの特異点(イメージ)
 
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ブラックホールの中心にある、密度・重力が無限大の点(特異点)ではすべての方程式・法則は破綻する。そして、引きずり込まれたら脱出不可能というイメージを持ってしまうが、決してそうでは無い。では引きずり込まれても、どこまでが脱出可能かと云うと、下図のように「事象の地平面」(重力はその物体との距離が近ければ近いほど強く働くため、"これより近づくと脱出速度が光速を超える" と云う距離面)と呼ばれるものが存在し、ここを越えなければ脱出は可能とされている。
 画像と説明文の出典先:http://michi0103.at.webry.info/201112/article_34.html
 

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光速 その1
光速Speed of light)、光速度は、光が伝播する速さのことである。真空中における光速の値は 299 792 458 m/s30万キロメートル毎秒)と定義されている。つまり、太陽から地球まで約820秒、月から地球は、2秒もかからない。俗に「1秒間に地球を7回半回る速さ」とも表現される。
光速は宇宙における最大速度であり、時間と空間の基準となる物理学における特別な意味を持つ値でもある
現代の国際単位系では長さの単位メートルは光速と秒により定義されている。光速度は電磁場の伝播速度でもあり、マクスウェルの方程式で媒質を真空にすると光速が一定となるということが相対性理論の根本原理になっている。
重力作用も光速で伝播することが相対性理論で予言され、2002年に観測により確認された。
・記号c,c0の由来
光速は一般に記号cまたはc0で表される。これはヴィルヘルム・ヴェーバーによる「ヴェーバー定数」(Weber's constant)に由来する(ヴィルヘルム・ヴェーバーを参照)とともに、ラテン語で速さを意味するceleritas にも由来するものである。
・光速度の測定
光は人間が見たり音など五感で感じられる全てのものの中で圧倒的に速く、かつて光は光源から放たれた瞬間に見える、つまり、速度は無限大と考えられていた。ガリレオ・ガリレイは、遠く離れた2か所に置いたランプの合図を用いて光速度を測定する方法を提案した。しかし、この方法では光速があまりに速く、当時のいかなる計測器でもわずかな時間を正確に測る事ができなかったために有意な結果を得られなかった。
1676年にデンマークの数学者オーレ・レーマーは木星の衛星イオが木星に隠れる周期の変化と木星までの距離から光速を計算した。当時既に地球と木星およびイオの位置関係は正確にわかっていた。レーマーは、地球が木星から遠い位置にある際に、イオが隠れる時刻を調べ、光の速度が無限大ならば周期に応じた42.5時間置きに観測されるはずという「観測予定時刻」を計算した。そして地球が公転軌道上で木星に近づいた位置に移動した5ヵ月後に再度イオが隠れる時刻を調べると、「観測予定時刻」よりも早くなっている事を確認した。この結果からレーマーは光速を計算し、約21.4 km/s という値を得た。これは実際の光速より3割ほど遅い数字だったが、光速が有限であり、初めて具体的な速度を示した。レーマーの友人アイザック・ニュートンもこれを認め、この光速の値を著書に記した。
1729年にジェームズ・ブラッドリーは季節による星の光行差から光速を求めた。
1849年、アルマン・フィゾーは回転する歯車を用いた光速の測定を行った。ランプの光をビームスプリッターで直角に曲げ、筒の中で720枚の歯がついた歯車を通過させて光を等間隔に分断して放ち、約8.6 km離れた反射鏡で折り返し、筒の中で同じ歯車を通して観察した。歯車の回転が遅いうちは、凹部を通った光は反射され同じ凹部から見える。しかし回転数を上げると、やがて反射光が凸部(歯の部分)で遮られるようになる。フィゾーは、この時の12.6回転/秒から、(8.6 km)×2 = 17.2 kmを光が進む時間は(1)/(12.6回転/)/(720×2)(歯車の凸部と凹部の間の個数 = 歯の数の2倍)= 0.000055 秒と計算した。これらから光速は約31.3 km/sという値を得た。
1850年にフーコーは回転ミラーを使った光速の測定を行った。
1873年からマイケルソンはフーコーの方法を改良して光速の測定を続けた。
その後マイクロ波を使う方法、レーザーの使用などにより測定の精度が高まった。
1983年には、国際度量衡総会により、メートルを光速によって定義することとなった。これにより、真空中の光速が299 792 458 m/sと定義されたことになる。
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木星を利用した光速度測定
 
 

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光速 その2
・電磁場の伝播と光速度
マクスウェルの方程式によれば、電磁場の伝播速度は次の関係で与えられる。
c は一定)
ここで、ε0 は真空の誘電率、μ0 は真空の透磁率である。ジェームズ・クラーク・マクスウェルはこの式を観測ではなく理論から導いたが、判明していた値ε0 = 8.85×10-12 N/V2μ0 = 1.26×10-6 N/A2を代入すると、真空中の電磁波の速度が約30 km/sとなり、フィゾーが測定した光速度とほぼ一致した。この事から、マクスウェルは当時正体がよくわかっていなかった光の波が電磁波の一種であることを提唱した。これは後にハインリヒ・ヘルツによって実証された。
-物質中の光速
光速は、物質中では真空中よりも遅くなる。屈折という現象がおきるのは、光速が媒質によって異なるためである。また、物質中の光速よりも速い速度で荷電粒子が運動することが可能であり、このときチェレンコフ放射が発生する。
物質の絶対屈折率は、真空中の光速をその物質中の光速で割った値で定義されている。たとえば水の屈折率は可視光領域波長で約1.33、真空中の光速度は約30km/sであるから、水中での光速度は約22.5km/sとなる。
-超光速の観測と実験
一般に、あらゆる情報や物質は、真空中の光速よりも速く伝播することは不可能であるとされている。相対論の方程式によれば、光速よりも速く移動する物体を仮定すると、実数で表すことのできない物理量が現れ、質量が無限大になってしまうからである。しかし、光速よりも大きな速度が出現する物理的状況というのは数多く存在する。
・光速よりも速く伝播するもの
-波動の速度と同時的イベント
光の「群速度」が光速を超えることが可能であるということは、理論的に古くから知られていた。ある最近の実験では、セシウム原子中の非常に短い距離を、光速の310倍の群速度でレーザー光線を伝えることに成功した。2002年にはモンクトン大学の物理学者アラン・ハッシュは、超光速の群速度をもつパルスを、長い距離にわたって伝えることに初めて成功した。この実験では、同軸フォトニック結晶の120メートルケーブルの中を、光速の3倍の群速度のパルスが伝播し。しかし、この技術を超光速の情報伝達のために使うことは不可能である。情報伝達の速度というのは前面速度(パルスの最初の立ち上がりが伝播する速さ)によっており、群速度と前面速度の積は物質中の光速の2乗に等しいからである。
このように光の群速度が光速を超えられるというのは、音速にあてはめて次のように理解できる。人々を、距離をあけて一列に並べたとする。そして、各々が自分の腕時計でタイミングを見はからい、短い間隔で順番に掛け声をあげさせるとする。このとき、彼らは隣の人の声を聞くのを待たずに声をあげることができる。またある例として、海岸に打ち上げられる波にも同じようなことが見られる。波と海岸線の間の角度が十分小さければ、砕ける波は、内陸を波が伝わるよりもずっと大きな速さで波長に沿って伝播することができる。
-光のスポットと影
たとえばレーザーが遠方にある物体の表面を横切ると、光のスポットの速度は簡単に光速を超えることができる。遠方の物体に影を投射させても同様である。どちらの場合も、物質や情報が光速を超えて伝播しているわけではない。
 

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光速 その3(終わり)
・量子力学
光速は、エバネッセント波が関与する現象、たとえばトンネル効果などにおいても超えることができる。エバネッセント波の位相速度と群速度は光速を超えうることが、実験によって示されている。しかしながら前面速度は光速を超えられないとされているため、この場合にも情報が光速を超えて伝播することはない。
量子力学では、ある種の量子的効果が光速を超えて伝播することがある(実際に、空間的隔たりのある物体同士の相互作用は長らく量子力学の問題であると見なされてきた)。たとえば、2つの粒子の量子状態が量子もつれの状態にあり、一方の粒子の状態が他方の粒子の状態を固定するものとする(ここでは、一方のスピンが +1⁄2 でなければならず、他方が -1⁄2 でなければならないとする)。観測されるまでは、2つの粒子は(+1⁄2, −1⁄2)および(−1⁄2, +1⁄2)という2つの量子状態の重ね合わせ状態にある。2つの粒子が離れ、一方の粒子が観測されて量子状態が決定されたとすると、自動的に他方の粒子の量子状態も決定される。もし、ある種の量子力学の解釈のように、量子状態についての情報が1つの粒子について局所的であるとするなら、次のように結論づけなければならない。すなわち、最初の観測がなされると、2つ目の粒子は即座に、その量子状態を占めるのである。しかしながら、最初の粒子が観測されたときにどちらの量子状態にあるかを制御することは不可能なので、この方法でも情報は伝播できない。物理法則は、情報がもっと賢い方法で伝播することをも妨げており、これは量子複製不可能定理や通信不可能定理へとつながることになった。
・接近速度
2つの物体が互いに向かい合う方向に運動しており、それぞれ、ある慣性系における速度が0.8cであったとする。このとき、その系において、それらは1.6cの速度で接近していることになる。これを接近速度とよぶ。接近速度はある系におけるどんな物体の速度も表していないことに注意が必要である。
・固有速度
ある宇宙船が、地球から(地球の静止系で)1光年離れた惑星まで光速で移動するとする。これに要する時間は、宇宙船内の時計でみると1年よりも短くなることが可能である(地球上の時計でみれば、必ず1年以上かかる)。このとき、地球の系でみた移動距離を、宇宙船の時計でみた経過時間で割った値のことを、固有速度という。固有速度はあるひとつの慣性系で観測される速度を表しているわけではないので、この値には上限がない。しかしもちろん、同時に地球を出発した光信号はどんな場合にも宇宙船より速く惑星に到達する。
・光速よりも速く伝播するように見えるだけのもの
いわゆる超光速運動とよばれるものが、電波銀河やクエーサーのジェットなど、ある種の天体において観測される。しかし、これらのジェットは光速よりも速く運動しているわけではない。この見かけ上の超光速運動は、物体が光速に近い速度で運動しており、その方向と視線とのなす角度が小さいときに起こる投影効果である。超光速で運動して見えるジェットを持つクエーサーは超光速クエーサーと呼ばれており、3C 2793C 179はその一例である。
・媒質中の光速よりも速く伝播するもの
逆説的のようだが、電磁放射で衝撃波をつくることが可能である。荷電粒子が絶縁された媒質中を通過するとき、粒子は媒質の局所的電磁場を乱す。媒質の原子中の電子は、通過する荷電粒子の場によって動かされ、偏極が起きる。粒子が通過したあとに媒質中の電子が再び平衡状態に戻るとき、光子が放射される(伝導体においては、光子を放射することなく平衡状態に戻る)。通常の場合、この光子は破壊的に干渉しあい、放射は検出されない。しかし場の乱れが光子よりも速いとき、すなわち荷電粒子が媒質中の光速よりも速いとき、光子は創造的に干渉しあい、観測される放射強度は増幅される。この放射は音波におけるソニックブームのようなもので、チェレンコフ放射とよばれる。
・理論上の超光速粒子
タキオンは、ゾンマーフェルトによって提唱され、ジェラルド・ファインバーグによって命名された仮想の超光速粒子である。
スーパーブラディオンはルイス・ゴンザレス・メストレによって提唱された仮想の超光速粒子である。タキオンと異なり正の実数の質量とエネルギーを持つ。
・光速変動理論
宇宙の初期に関する理論であるインフレーション理論に対抗する光速変動理論(VSL) などのアイデアが存在している。光子が非常に高いエネルギーであるときに、光速が速くなる、とする考えだが、場当たり的な仮定が多く、方程式も複雑であるため、正しく宇宙の法則をとらえた理論であるとは考えられていない。

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事象の地平面(地平線)
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 回転しているブラックホール(カー解)の周辺には事象の地平線の外側にエルゴ領域が生じる。エルゴ領域では慣性系の引きずり効果が生じ、粒子や光は一点にとどまることができない。しかし、事象の地平線とは異なり外部への脱出は可能だ。
事象の地平面event horizon)は、物理学・相対性理論の概念で、情報伝達の境界面である。
シュヴァルツシルト面と言われることもある。空間を2次元に単純化したモデルを考え、事象の地平線ということもある。
情報は光や電磁波などにより伝達され、その最大速度は光速であるが、光などでも到達できなくなる領域(距離)が存在し、ここより先の情報を我々は知ることができない。この境界を指し「事象の地平面」と呼ぶ。
・ブラックホール
重力が大きく、光でさえも脱出不可能な天体をブラックホールという。光でさえも抜け出せないが故に、ブラックホールを肉眼で観測する事は出来ない。従って、ブラックホールの存在は、ブラックホールに落ち込む物質が放つ放射や、ブラックホール近傍の天体の運動など、間接的な観測事実に頼ることになる。ブラックホールは、一般相対性理論が予言する産物であるが、現在では複数の候補天体があるとともに、銀河系の中心には大質量ブラックホールが存在すると考えられている。
一般相対性理論において、ブラックホールを厳密に定義すると、「情報の伝達が一方的な事象の地平面が存在し、漸近的に平坦ではない方の時空の領域」ということになる。このように数学的には厳密に定義されても、例えば数値シミュレーションで、事象の地平面を特定するのは難しい。未来永劫にわたって、その領域が外側と因果関係を持たないことを示さなければならないからである。そこで、「見かけの地平面(apparent horizon)」という概念がよく利用される。
簡単にブラックホールの大きさを評価する方法として、シュヴァルツシルトの解が表すシュヴァルツシルト半径がある。球対称・真空でのブラックホール解を表すシュヴァルツシルトの解では、事象の地平面がシュヴァルツシルト半径と一致する。そのため事象の地平面をシュヴァルツシルト面と言うことがある。地球のシュヴァルツシルト半径は約9mmである。また、我々の銀河(天の川銀河)のそれは太陽系の大きさのおよそ30個分である。天の川銀河に存在する全ての星をその程度の大きさの領域に集めた場合には、領域内からは大変強い光が放射される事になるが、領域の大きさがシュヴァルツシルト半径付近になると放射される光の赤方偏移が顕著になり、シュヴァルツシルト半径よりも小さくなると領域内からは光が全く放射されなくなる。この最後の状態がブラックホールである。
天体の持つ質量により、その天体の中心から事象の地平面が形成されるまでの距離は異なる。普通の天体の半径はシュヴァルツシルト半径よりも大きくその天体の情報を得ることが可能である。しかし重力崩壊で収縮すると、その天体の全質量が事象の地平面より小さい領域に押し込まれ、もはや情報を得ることが不可能となる。
・宇宙の地平面(宇宙の地平線)
宇宙の地平面とは観測可能なもっとも遠い宇宙の空間あるいは宇宙の時空であり、観測上の「宇宙の果て」である。一般的に宇宙は膨張していると考えられており、距離が離れているほど地球からの後退速度(宇宙論的固有距離の変化量を宇宙時間で微分した値)が速く、ある距離(ハッブル距離)以上は光速以上の速さで離れる。地球に向かう光が常に光速以上で遠ざかる空間にとどまるという条件下では、その光は地球には永遠に届かない。このとき光が届く限界の時空面を宇宙の事象的地平面という。事象的地平面は我々が観測できる個々の天体がどの時代の姿まで観測できるかを示している。
現在観測される天体のなかには、光速を超えて地球から遠ざかっているものも存在する。このような天体が観測できるのは、天体から放たれた光が光速以上で遠ざかる空間から抜け出て次第に地球からの後退速度が緩やかな空間に入るからであり、「地球から光速で遠ざかる空間=宇宙の地平面」ではない。赤方偏移Zの値が1.7程度の天体は、今地球で観測される光を放ったときちょうど光速で遠ざかっていたので、これよりも赤方偏移の大きな天体は超光速で地球から遠ざかっていたことになる。そのような天体はすでに1000個程度観測されている。
また、現在地球から観測できる最も古い光が放たれた場所の、現在の位置を光子の粒子的地平面という。現在の光子の粒子的地平面は地球を中心とする半径465億光年の球の表面となり、この球面の半径は光速の約3.5倍の速さで大きくなり、我々が今観測している光を放ったとき(宇宙の晴れ上がり)には光速の約60倍もの速度で遠ざかっていた。光子以外の粒子による粒子的地平面は光子のそれよりも遠く伸びる場合がある。たとえばニュートリノによる粒子的地平面は光子の粒子的地平面よりも大きいと考えられる。なぜなら光は直進できるようになるまで「宇宙の晴れ上がり」を待たねばならなかったが、ニュートリノはそれ以前に直進していると考えられるからだ。
また、私たちの属する宇宙は光子を含む電磁波の観測によって関与できる空間の限界を示す光子の粒子的地平面を超えて、はるかに広大に広がっていると考えられている。
・加速運動
等価性原理により、加速運動する系から見ると重力が発生し、事象の地平線が生じる。1G (9.8 m/s2) で加速する系から見れば、後方約1光年に平面状の地平面が発生する。
しかしこの地平面は加速運動による一時的なものであり、加速が止まれば消滅する。
 

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ゆらぎ量子ゆらぎ*1
ゆらぎとは、ある量の平均値からの変動をいう。
・物理学
物理学において、ゆらぎとは、広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的または時間的な平均値からの変動を指す。ゆらぎの大きさを表すのに用いられる二乗平均ゆらぎは、統計学における分散と同じものである。
すなわち、Xの測定を多数回行ったとき、測定値の平均値を<X>番目の測定値をXiとすると、二乗平均ゆらぎ(分散)は
 <X2> - <Xi>2
と表される。
ゆらぎの性質を分類する方法として、パワースペクトルがよく用いられる。
・平衡ゆらぎと非平衡ゆらぎ
平衡ゆらぎについては,アインシュタインがブラウン運動から一般論を展開し、オンサーガーが相反定理という形でまとめあげた.
このゆらぎの一般論は,平衡から遠く離れた状態においても適応できるように拡張された.その典型例がゆらぎの定理であり,またJarzynski等式と呼ばれる恒等式である.特にゆらぎの定理は,平衡近傍で適応すると古典系の線形応答理論が導かれ,等温系で適応するとJarzynski等式を導くことが出来る枠組になっている。
・熱力学
熱力学において、ゆらぎとは熱平衡状態からのずれ、もしくは熱平衡にほど遠い系の状態を指す。
 
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*1量子ゆらぎとは、量子力学に従う系に伴う、物理量のゆらぎである。測定値による誤差ではなく、量子力学的な効果によって、原理的に存在する、確率的なゆらぎを指す。量子論的ゆらぎともいう。

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チェレンコフ放射 その1
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アメリカ/アイダホ国立研究所内にある新型実験炉で観測されたチェレンコフ放射の例
チェレンコフ放射Čerenkov radiationCherenkov radiation)とは、荷電粒子が物質中を運動する時、荷電粒子の速度がその物質中の光速度よりも速い場合に光が出る現象である。チェレンコフ効果ともいう。このとき出る光をチェレンコフ光、または、チェレンコフ放射光と言う。
この現象は、1934年にパーヴェル・チェレンコフにより発見され、チェレンコフ放射と名付けられた。その後、イリヤ・フランクとイゴール・タムにより、その発生原理が解明された。これらの功績により、この3名は1958年のノーベル物理学賞を受けた。
・物理的原理
相対論は真空中の光速がどんな場合にも一定(c)であると仮定しているが、物質中を伝播する光の速度は、cよりもかなり遅くなる。たとえば、水中の伝播速度は0.75cにすぎない。粒子は、核反応や粒子加速器などによって加速され、この速度を超えることが可能である。チェレンコフ放射は、荷電粒子(たいていは電子)が(絶縁された)誘電体を、光よりも速い速度で通過するときに放射される。
このときの光の速度というのは、群速度ではなく位相速度である。位相速度は、周期的媒質を用いることで劇的に変えることができ、このとき最小粒子速度に達さなくともチェレンコフ放射を観測することができる(これはSmith-Purcell効果として知られている)。フォトニック結晶などの複雑な周期的媒質においては、チェレンコフ放射のさまざまな特異的ふるまいをみることができる。たとえば後方への放射などである(通常は粒子速度の鋭角方向に放射する)。
荷電粒子が物質中を通過すると、物質の局所的電磁場が乱される。物質の原子中の電子は、通過する荷電粒子の場によって動かされ、偏極する。場の乱れが通過したあと、電子が再び平衡状態に戻ろうとするとき、光子が放出される(伝導体においては、光子を放出することなく平衡状態に戻る)。通常の場合には、光子は破壊的に干渉しあい、放射は検出されない。しかし場の乱れがその物質中の光速を超えて伝播するとき、光子は創造的に干渉しあい、観測される放射は増幅される。
 

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チェレンコフ放射 その2(終わり)
チェレンコフ放射は、しばしば飛行機や弾丸が超音速で移動するときに発生するソニックブームに喩えられる。超音速の物体によって発生する音波は、十分な速度がないため、物体自身から離れることができない。そのため音波は蓄積され、衝撃波面が形成される。
同じようにして、荷電粒子も絶縁体を通過するときに、光子の衝撃波を生成することができる。
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 上図において、粒子(赤い矢印)は速度vpで物質中を通過する。ここでは、粒子の速度と真空中の光速との比をβ=vp/cと定義する。nを物質の屈折率とすると、放射される電磁波(青い矢印)の伝播速度はvem=c/nとなる。
三角形の左の頂点は、ある初期時点(t=0)における粒子の位置をあらわす。右の頂点は、ある時間における粒子の位置をあらわす。あるが与えられた場合、粒子の移動距離は
であり、放射電磁波の移動距離は
となる。ゆえに、放射角は
となる。
・応用
-粒子物理学
小柴昌俊によるカミオカンデやスーパーカミオカンデなどでは、円錐状に広がるチェレンコフ光を捕らえることによりさまざまな研究を行う。そのチェレンコフ光がニュートリノにより散乱された電子により発生したのであれば、チェレンコフ光の観測結果から電子の運動方向や速度が分かり、それらからニュートリノの飛来方向などを計算することができ、ニュートリノが観測できる。
-臨界事故
チェレンコフ光の例としては、原子力発電所の燃料が入ったプールの中で見える青白い光がある。東海村JCO臨界事故やチェルノブイリ原発事故で「青白い光を見た」と作業員が言ったので、臨界事故の確認がとれた。なお、東海村JCO臨界事故で見えた光がチェレンコフ光であったか別現象であったかについては、臨界事故の記事に考察がある。
 

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エバネッセント場(エバネッセント波)
エバネッセント場evanescent field)とは、電磁波(光)の反射現象において、特定の条件下で反射する媒質内部に電磁波の浸透がイメージ 1発生する。その浸透した電磁波をエバネッセント場と呼ぶ。そしてエバネッセント場から放出(反射)する電磁波はエバネッセント波、エバネッセント光、近接場光と呼ばれる。
屈折率の高い媒質から低い媒質に電磁波が入射する場合、入射角をある臨界角以上にすると電磁波は全反射するが、その際には波数の(境界面に対する)垂直成分が虚数になっている為に1波長程度まで低媒質側の内部に電磁波が浸透することになる。
エバネッセント波は反射した物体の表面近傍の状態を観測できる為に近年注目を集めている。1つには屈折とは異なる物理現象であるために、波長よりも短い構造を反映する為に波長による回折限界を超えた分解能での観測が可能になる(フォトン走査型近接場光顕微鏡)。
あるいは試料の表面内部に浸透するので、反射光による原子分光(赤外吸光分析)する分析装置などにも応用されている
全反射をしている面の外側、すなわち屈折率の小さい媒質中には光がしみ出し、境界面に沿って伝わる。これをエバネッセント波という。この面の外側に光の波長程度の間隔を置いて屈折率の高い媒質を再び置けば、エバネッセント波を介して光は透過し、境界面での反射は全反射でなくなる。
 

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衝撃波 その1
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衝撃波
Shock Wave)は、主に空気中を伝播する、圧力などの不連続な変化のことであり、圧力波の一種である。
・詳細
主に媒質中を超音速で移動する物体の周りに発生し、媒質中の音速よりも速い速度、すなわち超音速で伝播、急速に減衰して最終的には音波(ソニックブーム)となる。
また、波面後方で圧力・温度・密度の上昇する圧縮波であるが、自然界で発生するほとんどの衝撃波は近傍に膨張波を伴っている。
衝撃波の強さは、衝撃波前方と後方の圧力比・温度比・密度比・速度比などで示される。これらの比は衝撃波マッハ数(衝撃波伝播速度を衝撃波前方の音速で割った値)に対してそれぞれ11で対応するため、衝撃波マッハ数も衝撃波の強さを示す値として用いられる。なお、理想気体中でのこのような比はランキン・ユゴニオの式によって関係付けられる。
・分類
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垂直衝撃波
伝播方向に対して波面が垂直なものを指す。形状が単純であることから、各衝撃波の空気力学的解析によく用いられる。
斜め衝撃波
伝播方向に対して波面が垂直でないものを指す。図のθがある値θmax より小さい曲がり角に超音速の流れが進入する際に発生する。このθmax はマッハ数とともに増加する。なお、θが負の時はプラントルマイヤー膨張扇と呼ばれる無数に集まったマッハ波が発生する。
超音速で飛行する航空機に発生した円錐形の衝撃波(マッハコーン)も、斜め衝撃波である。このような場合、波面の角度βはマッハ角μと呼ばれる。
離脱衝撃波
θθmax より大きくなったときに、曲がり角の手前側に発生する衝撃波。
 

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衝撃波 その2(終わり)
・発生例
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超音速飛行中の戦闘機やロケット、隕石や大気圏再突入した人工衛星などの周囲で発生する。また弾丸による発生も確認されている。地表に達すると窓ガラスを割るなどの被害を生じ、減衰してもソニックブームと呼ばれる大きな騒音になる。衝撃波を発生させるには大きな力が必要で、造波抵抗という抗力として作用するため、超音速飛行を実現するうえで大きな技術的課題となっている。
爆発によっても発生することがある。爆発の膨張速度が音速を超えると、表面に衝撃波が生じる。自然界の例としては火山噴火や雷などが挙げられる。人工的な爆発では、地表核実験などがあげられる。発生した衝撃波は伝播とともに急激に減衰して音波となり、「ドン」という、いわゆる爆発音になる。
ごく小規模なものとして、鞭を振るったときに先端部が音速を超えて発生するものがある。パシッと鳴る音は、衝撃波が減衰したソニックブームによる。
・研究
衝撃波の理論研究の歴史は、次のようである。
1858年にベルンハルト・リーマンが、衝撃波は断熱可逆過程で生成されるとして解析を行った。現在では実際にはこれは非可逆過程で起こっていることが知られている。
1870年にウィリアム・ランキンが、1887年にピエール=アンリ・ユゴニオがそれぞれ独立にランキン・ユゴニオの式を発表した。
1887年にエルンスト・マッハが、シュリーレン法を用いて衝撃波の写真撮影に成功した。
1905年にルートヴィヒ・プラントルは、マッハ1.5を達成できる小型超音速ノズルを製作し、斜め衝撃波と膨張波の特性について研究した。テオドル・マイヤー (Theodor Meyer) はプラントルのもと、1908年の博士論文でプラントル・メイヤーの膨張波の理論を発表した。
19181919年にブライアン(G. H. Bryan)は、円柱の周りの亜音速と超音速流れの理論解析の比較を行なった。
1927年にヘルマン・グロアートは、同一の翼型周りの亜音速状態での圧縮流と非圧縮流に対する揚力係数の変換式(プラントル・グロアートの相似則)を見出した。
・光の衝撃波
音波だけでなく、光(電磁波)においても衝撃波に似た現象が観測される。一般に媒質中の光速は真空中より遅く、例えば水中では真空中の3/4である。素粒子などが媒質中を高速で移動する際、これを上回ると発生する。
荷電粒子が原子内を通過すると、電子軌道が乱され電子の偏りが生じる。偏りは光子を放出して元に戻るが、通常は光子は打ち消し合って消えてしまう。しかし、荷電粒子が光速を超えていた場合、放出された光子の速度を超えて他の光子が放出されるため、追いつけず打ち消し合わない。この結果、光子は外部に放射され、チェレンコフ放射として観測される。
・太陽風の衝撃波
太陽系の果てでは、太陽風が銀河系の星間物質などの抵抗で超音速から亜音速に減速され、ゆがんだ球状の末端衝撃波面が形成される。一方、星間物質側から見ると太陽風によって減速されて傘型の衝撃波面を形成することになり、こちらはボウショックと呼ばれる。
 

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光 その1
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上方から入ってきた光の道筋が、散乱によって見えている様子。(米国のアンテロープ・キャニオンにて)
とは、基本的には、人間の目(視覚)を刺激して明るさを感じさせるもの(こと)のことである。
現代の自然科学の分野では、光を「可視光線」と、異なった名称で呼ぶことも行われている。つまり「光」は電磁波の一種と位置付けつつ説明されており、同分野では「光」という言葉で赤外線・紫外線まで含めて指していることも多い。
光は宗教や、哲学、自然科学、物理などの考察の対象とされている。
・宗教や哲学での説明
光は様々な思想や宗教において、超越的存在者の属性を示すものとされた。
古くから宗教に光は登場しており、より具体的には太陽と結びつけられることも多かった。古代エジプトの神、アメン・ラーなどはその一例である。
プラトンの有名な「洞窟の比喩」では、光の源である太陽と最高原理「善のイデア」とを結びつけている。
新プラトン主義では、光に強弱や濃淡があることから、世界の多様性を説明しようとしており、哲学と神秘主義が融合している。例えばプロティノスは「一者」「叡智(ヌース)」「魂」の3原理から世界を説明し、「一者」は、それ自体把握され得ないものであり光そのもの、「叡智(ヌース)」は「一者」を映し出しているものであり太陽であり、「魂」は「叡智」を受けて輝くもので月や星であるとし、光の比喩で世界の説明を論理化した。この新プラトン主義は魔術、ヘルメス主義、グノーシス主義にまで影響を及ぼした、とも言われている。
『新約聖書』ではイエスにより「私は、世にいる間、世の光である」(ヨハネ福音書 9:5)と語られる。またイエスは弟子と群集に対して「あなたたちは世の光である」(地の塩、世の光)と語る。ディオニュシオス・アレオパギテースにおいては、父なる神が光源であり、光がイエスであり、イエスは天上界のイデアを明かし、人々の魂を照らすのであり、光による照明が人に認識を与えるのだとされた。この思想はキリスト教世界の思想に様々な形で影響を与えた。
グノーシス主義では光と闇の二元的対立によって世界を説明した。
仏教では、光は、仏や菩薩などの智慧や慈悲を象徴するものとされる。
・自然科学の説明
光は波(波動)としての性質と、粒子としての性質を同時に併せ持っている。(後述)
また光は光源や観測者の速度にかかわらず「相対速度が変化しない」という特徴を持つ。光の速度を光速と言う。
・粒子説と波動説
「光は粒子なのか?それとも波なのか? この問題は20世紀前半まで、大きな問題として科学者たちを大いに悩ませた。なぜなら、光が波であるとしなければ説明できない現象(たとえば光の干渉、分光など)と、光が粒子であるとしなければ説明できない現象(たとえば光電効果など)が存在していたからである。
この問題は、20世紀に「量子力学」という分野が確立していく中でようやく解決することなった。不確定性原理によって生じた問題を説明するために1927年にニールス・ボーアが相補性という概念を提唱したことで解決した。一方を確定すると他方が不確定になるような2つの量というのは、互いに補い合いあうことにより対象の完全な記述が得られる、とする考え方である。
「光は粒子でもあり波でもある。粒子と波の両方の性質を併せ持つ、量子というものである」とされるようになり、「光は〈粒子性〉と〈波動性〉を併せ持つ」とも表現されるようになった。
近年では、光の粒子性に重点を置く場合は「光子」、波動性に重点を置く場合には「光波」、光が粒子と波の二面性を持った量子である、という点に重点をおく場合は「光量子(光子のこと)」と呼ぶ。
・光の粒子性
ニュートンによって、光は粒子だとする説が唱えられた(粒子説)。アインシュタインは光子の概念を提唱し、これは現在まで用いられている。
粒子(量子)としての光を光子(光量子)という。光子は電磁場の量子化によって現れる量子の1つで、電磁相互作用を媒介する。
E=hν- 光のエネルギーは振動数に比例する
p=h/λ- 光の運動量は波長λに反比例する
このため波長の小さいX線などにおいて、光の粒子性は特に顕著となる。
・光の波動性
光は波動として振る舞い反射・屈折・回折などの現象を起こす。
ヤングの実験(1805年)により光の波動説として証明され、その後マクスウェルらにより光波は電磁波であることが示された。厳密にはマクスウェルの方程式で記述されるベクトル波であり偏光を持つが、波動光学では簡略化のためにスカラー波として扱うことが多い。
波動としての光を光波と呼ぶ。
光のエネルギーは電場の振幅の2乗に比例する
光の運動量はポインティング・ベクトルに比例する
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