出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
ゆらぎ(量子ゆらぎ*1)
ゆらぎとは、ある量の平均値からの変動をいう。
・物理学
物理学において、ゆらぎとは、広がりまたは強度を持つ量(エネルギー・密度・電圧など)の空間的または時間的な平均値からの変動を指す。ゆらぎの大きさを表すのに用いられる二乗平均ゆらぎは、統計学における分散と同じものである。
すなわち、Xの測定を多数回行ったとき、測定値の平均値を<X>、番目の測定値をXiとすると、二乗平均ゆらぎ(分散)は
<X2> - <Xi>2
と表される。
ゆらぎの性質を分類する方法として、パワースペクトルがよく用いられる。
・平衡ゆらぎと非平衡ゆらぎ
平衡ゆらぎについては,アインシュタインがブラウン運動から一般論を展開し、オンサーガーが相反定理という形でまとめあげた.
このゆらぎの一般論は,平衡から遠く離れた状態においても適応できるように拡張された.その典型例がゆらぎの定理であり,またJarzynski等式と呼ばれる恒等式である.特にゆらぎの定理は,平衡近傍で適応すると古典系の線形応答理論が導かれ,等温系で適応するとJarzynski等式を導くことが出来る枠組になっている。
・熱力学
熱力学において、ゆらぎとは熱平衡状態からのずれ、もしくは熱平衡にほど遠い系の状態を指す。