Quantcast
Channel: アンディマンのコスモロジー (宇宙論)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 186

天体宇宙物理学への扉を開く

$
0
0
出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
ビッグリップ
ビッグリップ(Big Rip)は、2003年に公表された宇宙の終焉についての仮説である。恒星や銀河から原子や亜原子粒子に至るまで、宇宙の全ての物質は、宇宙の膨張のために未来のある時点でバラバラになる。理論的には、宇宙の計量は、有限な時間で無限大になりうる。ごく最近まで、科学者でさえ、宇宙は永遠であり不変のものであると考えてきた。しかし、ハッブルが宇宙の膨張を発見したことで、突如として宇宙の始まり終わりが科学的な議論の対象となってきた。
宇宙の終焉に関する理論は大まかに3つのグループに分けられる。
ハッブルらの観測結果にも関わらず、宇宙はかつて信じられていたように永遠のものである。:定常宇宙論、振動宇宙論
宇宙には始まりはあるが、明確な終焉はない。:宇宙の熱的死、ビッグリップ(Big Rip)
宇宙には始まりも、何らかの形での終焉もある。:ビッグクランチ
ここでは最初のグループについては論じない。宇宙の終焉そのものを否定しているからである。これらの理論では、何らかの意味のある活動がこの宇宙で永遠に続き得るとされる。
いずれの理論も、一般相対性理論のあたえる宇宙論的枠組みにおいて議論が為されている。これらの理論のほとんどが、宇宙の平均密度、宇宙項といった係数の値を変えたことによるアインシュタイン方程式の「別解」に過ぎない。
イメージ 1
 
・定義と概要
この仮説は、宇宙のダークエネルギーのタイプに決定的に依っている。重要な因子は、状態方程式パラメータwで、この値は、ダークエネルギーの圧力とエネルギー密度の比である。w<-1の時、宇宙は引き離される。このようなエネルギーはファントムエネルギーと呼ばれ、クインテセンスの極端な形態である。
宇宙でファントムエネルギーが優勢な場合は、宇宙は速度を増しながら膨張する。しかし、これは、観測可能な宇宙の大きさが縮み続けることを意味し、あらゆる点から光速で遠ざかる観測可能な宇宙の端までの距離は、より近くなるはずである。観測可能な宇宙の大きさがどの特定構造よりも小さくなると、全ての基礎的な相互作用(重力、電磁力、弱い力、強い力)が働かない状態になるはずである。こうなると、構造は「バラバラになる」。このモデルでは、ある有限時間の後、「ビッグリップ」と呼ばれる、全ての距離が発散して無限となった最終的な単一状態が現れることを示唆している。
この説の提唱者であるダートマス大学のロバート・コールドウェルは、現在知られているエネルギーの形態で、現在から宇宙の終焉に至るまでの時間を計算した。
イメージ 2
 
 
 
 
ここで、wは、上で定義した値、H0はハッブル定数、Ωmは現在の宇宙の全ての物質の密度(密度パラメータ)である。
この論文では、著者は、w =-1.5H0=70 km/s/MpcΩm =0.3として計算し、宇宙の終焉は現在から220億年後という結果を得ている。著者は、現在の研究によると、この宇宙のの値は-1に非常に近く、Ωが式において優占的な因子になると記している。(1+ w)の値が0に近づくほど、分母は0に近づき、ビッグリップはより未来の出来事になる。もしがちょうど-1に等しければ、H0Ωmの値に関わらず、ビッグリップは起こらない。
w =-1.5という著者のシナリオでは、銀河は最初は互いに遠ざかり、宇宙の終焉の約6000万年前に、重力は銀河系やその他の銀河を支えることができなくなる。宇宙の終焉の約3ヵ月前には、現在の太陽系のような星系は、重力で結びつけなくなる。最後の数分で、恒星や惑星はバラバラになり、宇宙の終焉の直前、原子までが破壊される。
現在の最新の宇宙論でも、wの値が-1より大きいか小さいかを決定するのに十分なデータは得られていない。
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 186

Trending Articles