出典:フリー百科事典「ウィキペディア」より引用
クーロンの法則 その2(終わり)
・電荷に関するクーロンの法則
2つの電荷を帯びた粒子(荷電粒子)間に働く力の大きさは、2つの粒子の電荷(q1とq2)の積に比例し、粒子間の距離rの二乗に反比例する。同符号の電荷のあいだには斥力、異なる符号の電荷のあいだには引力が働く。この力のことをクーロン力(またはクーロン相互作用)と呼ぶ。
F=k・q1q2/r2
ただしFを力の大きさ、qを電荷の大きさ、rを2物体間の距離とする。kは比例定数である。
q1 = 1C, q2 = 1C (単位C: クーロン、1C=1A·s) として粒子間距離rを 1m に設定し、力を測定すると比例定数が求められる。これによるとk = 8.9876×109 N·m2·A-2·s-2である。
ここでk=1/4πε0 とおくと、F=1/4πε0・q1q2/r2 と表せる。
国際単位系(SI)で記述すると比例定数kには(真空の)誘電率ε0 (= 8.854×10-12A2·s2·N-1·m-2)があらわれる。
方向まで考慮すると、
F= q1q2/4πε0・1/r2・r^ : r^=r/|r|=r/r (r^はを意味する。以下も同じ)
クーロン力は以下のようなクーロンポテンシャルから導くことができる。
V1(r^1)=q1・q2/r・r^=V2(r^2)
クーロン力は位置のみに依存する保存力であることがわかる。
・磁荷に関するクーロンの法則
また、磁荷を帯びた粒子間に働く力に関しても距離の逆二乗の関係があり、発見者(同上)の名にちなんでこれもクーロンの法則という。ただし、磁荷は電荷のように分割はできず(どんなに細かくしても必ずN極とS極が対になる)、現実には存在しない。ここでは仮想的な概念として磁荷を取り扱う。
Fを力の大きさ、m を磁荷、k'を比例定数、μ0は真空の透磁率とすると
F= k'・m1m2/r2=m1m2/4πμ0・1/r2
書き換えると、
F= m1H
ただし、この定義はEHとなるため、磁荷の単位はWb(ウェーバ)となりHの単位はA/m。Bで別表記すると
B=μ0H
と言う対応から、
F= m1/μ0・B
となる。また次のようにも考えられる
m1H=m1・m2/4πμ0・1/r2・r^=m1/μ0・B
ゆえに、
B =m2/4π・1/r2・r^
となる。
・クーロン定数
クーロン定数 | |
記号 | 1/4πε0 |
系 | プランク単位系、幾何学単位系 |
量 | Q-2 M L3 T-2 |
SI | 8.9876×109 [N·m-2·A2·s2]· |